外資規制について Part.4
今回は「出資金による規制」の分野をみていきましょう。
外国企業がベトナムに会社を設立する際は、一部の分野を除き、原則自由に資本金を設定することができます。
各政令によって、
業種/法定資本の分野/法定資本額が定められています。(業種によっては、法定資本の分野による分類がないものもあります)
例えば、下記の商業銀行という業種の中で3つの法定資本の分野に分かれ、それぞれ法定資本額が異なります。
〈政令86/2019/ND-CP〉
・商業銀行/商業銀行・協力銀行/3兆ドン
・商業銀行/政策銀行/5兆ドン
・商業銀行/外国銀行の支店/1,500万USD
さらに例を挙げていきます。
〈政令104/2007/ND-CP(改正投資法61/2020/QH14の施行に伴い追加予定)〉
・債権回収サービス/20億ドン
〈政令38/2020/ND-CP〉
・研修生の海外派遣サービス/50億ドン、その内預り金額10憶ドン
〈政令168/2017/ND-CP〉
・国際観光サービス/インバウンド観光客へのサービス/預り金額2億5,000万ドン
・国際観光サービス/アウトバウンド観光客へのサービス/預り金額5億ドン
〈政令52/2014/ND-CP〉
・人材紹介サービス/預り金額3億ドン
〈政令24/2012/ND-CP〉
・金融関連事業/ゴールドバーの売買/一般企業:1,000憶ドン、信用機関:3兆ドン
〈政令54/2010/ND-CP(政令142/2018/ND-CPにより一部改正)〉
・映画製作/2憶ドン
〈政令47/2011/ND-CP〉
・郵便業/国内:20億ドン、国際:50億ドン
〈WTO公約〉
・病院/2,000万USドル
・総合診療所/200万USドル
・専門治療施設/20万USドル
これらは一部の例ですが、政令等によって最低資本金のルールのない分野であっても、実務上は資本金ゼロでは投資は許可されないことを知っておきましょう。さらには、資本金額が親会社の保有する現預金額を上回っている場合、当局より指摘を受けるケースもありますのでご注意ください。
今回は以上となります。次回はその他の規制についてご紹介します。