バングラデシュにはMobile Financial Service (MFS)と呼ばれる携帯電話を利用した銀行口座システムがあり、以下の目的に限りその利用が認められています。
通常、取引を行う際には発行された小切手を銀行に持ち込み着金手続きを行います。
しかし、バングラデシュでは銀行口座を所有していない、もしくは所有していても所得を見せたくないという理由から口座への入金を拒む人がいるため、未だに現金取引が頻繁に行われています。 銀行口座を所有しない相手と取引を行う場合でもMFSを利用すれば現金を実際に授受することなく取引を行うことができます。
そのため、銀行口座を所有しない従業員への給与支払い方法としても用いられています。
上述の通り、バングラデシュでは、未だに現金取引が数多く見られます。しかし、バングラデシュ税法上、50,000BDTを超える企業間取引が現金で行われていた場合、その多くは使途不明金として費用として認められない事になります。
また、給与支払いの場合、月額15,000BDTを超える給与を現金で従業員へ支払った場合、それについても費用として認められません。 これらの費用として認められなかったものに関しては、その否認額に対し35%課税されることになります。
そのため、銀行口座を所有しない相手との取引の際にMFSが用いられはじめ、バングラデシュ中央銀行によれば、MFSによる取引額は上昇傾向にあり、2019年2月には約113億BDT(約140億円)であった総取引金額は、1年間で25%増加し、2020年2月には約143億BDT(約180億円)を記録したとしています。 COVID-19の影響で、現金取引が困難な状態であるためMFSの利用額は増えていきそうです。
企業が従業員への給与支給方法としてMFSを使用する場合には下記の手順で進めることができます。
MFSにて従業員へ給与を支給する場合には、事前に使用している銀行にてMFSの対応が可能かどうかを確認する必要があります。
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