Nominee Directorとは日本語で言う”選任”のようなものです。
バングラデシュの会社法上、最低株主2名、最低取締役2名を決める必要がありますが、株主が会社(株主が個人ではない)の場合会社より取締役となる人をアサイン(選任)する必要があります。選任された取締役をNominee Directorと言います。
仮に株主が個人の場合、株主と取締役が同一人物となります。その場合にはNominee Directorとは言いません。ただ、会社法上はNominee DirectorもDirectorも役割や権限に差はありません。
例えば、株主、取締役が以下の構成の場合を考えてみましょう。
<株主>合計2名
1.ABC株式会社
2.Mr. XYZ
<取締役>合計2名
1.Ms. DEF
Mr. XYZ、Ms. DEFどちらも取締役であることは変わりませんが、Mr. XYZは個人株主のためNominee Directorではありません。一方で、Ms. DEFは株主ABC株式会社より選任された取締役であるためNominee Directorと呼ばれることがあります。また、登記簿(FORM-XII)に『Nominee Director of ABC株式会社』と記載されます。
日本では聞きなれない表現ですが、個人株主であるDirector、株主より選任されたNominee Director、共に取締役(Director)であり役割や権限は同じです。Nominee Directorという表現が登場したら個人株主ではなく、会社より選任されている人だと思えばいいでしょう。