来年度(2023年7月~2024年6月)の予算案が発表されました。バングラデシュの事業年度は7月1日~翌年6月末なので毎年6月になると来期の予算案が発表されます。
2024年度の予算は7兆6,178億5,000万タカです。ちなみに、今年度(2022年7月~2023年6月) の予算は、6兆6,050億7,000万タカでした。今年度と比較して15%程多く予算が設定されています。
【バングラデシュ国家予算まとめ】
単位:1,000万タカ
|
|
2023-2024年度 予算
|
2022-2023年度 補正予算
|
|
歳入
|
500,000
|
433,000
|
|
歳出
|
761,785
|
660,507
|
|
収支(赤字)
|
261,785
|
227,507
|
今年度と比較して特に予算の増加率が高いのは、教育分野とハードインフラ分野です。中等・高等教育の分野では、今年度の補正予算は3,365億タカであったのに対して、来年度の予算では4,283億タカと前年度と比較して127%も増加しています。初等教育の分野においても、前年度は2,770億タカであったに対して、来年度は3,472億タカで125%も増加していることから関心の高い分野であることがわかります。
具体的には、公立学校にパソコンやプロジェクター、音響設備等を支給すること、学校の環境改善、教育者のトレーニングといったプログラムが含まれています。
単位:1,000万タカ
|
|
2023-2024年度
|
2022-2023年度
|
増加率(%)
|
|
初等教育
|
42,837
|
33,652
|
125%
|
|
中等・高等教育
|
34,722
|
27,703
|
127%
|
ハードインフラの分野では、特に電力エネルギーや橋梁の予算増加が目立ちます。
日本の円借款のインフラ事業もここに該当しますが、具体的にはパドマ橋やジャムナ川にかかる鉄道橋、カルナフリートンネル、パイラ港湾、マタバリ新海港、ランプール発電所などが挙げられます。このようなインフラ分野に対して来年度はさらに力をいれて開発が進んでいくことが期待できそうです。
単位:1,000万タカ
|
|
2023-2024年度
|
2022-2023年度
|
増加率(%)
|
|
電力エネルギー
|
34,819
|
27,190
|
128%
|
|
道路
|
39,710
|
35,248
|
112%
|
|
鉄道
|
19,010
|
16,478
|
115%
|
|
橋梁
|
9,073
|
7,072
|
128%
|
上述のように、来年度の予算では教育とインフラの分野において注力していくことが予想されます。教育環境の改善とインフラの開発に伴う優秀な人材の輩出や新しい産業の拡大に注目が集まっています。