今回は、昨今中国からの生産移管を考える日系企業担当者のかたも多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は生産移管から考えるインドネシアへの進出に関しても少し触れたいと思います。
世界中の多くの企業が、自社製品の生産拠点を中国から移転する旨を表明、もしくは検討している最大の理由は、これまでは、出口がまったく見えてこない長期化する米中貿易戦争でした。
しかしながら、現在は生産移管を考える日系企業が増加傾向にあります。というのも2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」の拡大が、「中国からの生産移管」を加速させていると考えられるためです。
改めて、アメリカと中国における米中貿易戦争について振り返ると、米中貿易戦争とは、アメリカと中国による、お互いの国の輸出品に対する関税の引き上げ合戦を指します。
発端は、2018年3月にトランプ政権が、中国からアメリカへ輸出される鉄鋼製品に関税をかけたことでした。
さらに同じ年の7月にはロボットなど約800品目に対し、340億ドル相当の25%の関税をかけます。続く8月には半導体などの約300品目に対して160億ドル相当の25%の関税をかけるとさらに圧力をかけました。
そんなアメリカの中国製品に対する関税処置に対抗して、中国の習近平政権も対抗します。2018年3月に大豆などの約500品目に340億ドル相当の25%の関税を、同年7月には自動車などの約300品目に160億ドル相当の25%の関税をかけるとの声明を発表したのです。
2018年8月には、両国の追加課税合戦はさらにエスカレートします。
アメリカが家具・家電などの約5,700品目に2,000億ドル相当の10%関税をかけると発表すると、中国は液化天然ガスなどの約5,200品目に600億ドル相当の5%または10%の関税をかけることで対抗したのです。
2020年現在、2018年12月のアルゼンチン、ならびに2019年6月の大阪での「G20(主要20ヵ国・地域)サミット」を経て、途中Huawei問題などあったものの、トランプ大統領と習近平国家主席は会談を行いました。
現状、米中貿易戦争は休戦状態にあるとされています。
しかし、中国に生産拠点を持ち、かつアメリカ市場で大きな売り上げを上げている日系企業含めた世界中の企業にとって、上記のような関税リスクを回避することは必須事項です。
理由としては、アメリカ政府に自社の製品に関税が課せられた場合、その関税を販売価格に転嫁すれば、小売価格でも大きな値上げを必要とするケースがあるからです。
「世界の工場」と称される中国に生産拠点を持つ企業は多くあります。グローバル市場に参入している世界中の企業の中で、この中国とアメリカの市場を長期的な経営戦略に入れていない企業はほとんどないかと考えられます。
上記のような、米中貿易戦争の勃発より約1年半。両国の貿易摩擦の収束の道筋はまったくいまだ見えない状況です。そして、いよいよ世界各国の企業が「中国からの生産移管」を実施あるいは視野に入れ始めた矢先に、2019年12月より中国湖北省武漢市で発生した「新型コロナウイルス」の拡大が加わったのです。
下記は実際に隣国ベトナムやインドネシアなどに生産移管を行ったグローバル企業の例です。
①任天堂(日系企業)
→「ニンテンドースイッチ」の生産の一部を中国からベトナムに移管することを発表。
②アシックス(日系企業)
→ランニングシューズなどの一部商品の生産をベトナムに移管
③和碩聯合科技(ペガトロン)(台湾企業)
→中国での通信機器の生産ラインの一部を、インドネシアへ移管
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