日本では裏口上場などともいわれネガティブな印象を持たれる、Reverse Takeover(RTO)【未公開企業による上場企業の買収】ですが、シンガポールの取引所SGXでは、正当な上場手法の1つとして利用されます。今日はシンガポールでのRTOについて、簡単に解説いたします。
1. Reverse Takeover(RTO)の基礎と日本との違い
シンガポール証券取引所(SGX)では、未上場企業が上場企業を買収し、その結果として上場を果たす「リバーステイクオーバー(Reverse Takeover:RTO)」という手法が広く活用されています。
2. シンガポールの4つの上場手段
-
IPO(新規株式公開)
投資家に直接株式を販売し、資金調達を行う一般的な上場方法。
-
紹介による上場
親会社の既存株主に子会社株を配分する形で、資金調達を伴わない上場。
-
RTO(リバーステイクオーバー)
未上場企業が上場企業の経営権を取得し、結果的に上場する手法。
-
SPACとの合併(De-SPAC)
現金を保有する上場済みSPACと未上場企業が合併する形での上場。
3. 日本との比較:RTOに対する見方の違い
日本では「裏口上場」とも呼ばれ、規制やイメージの観点から否定的に捉えられがちなRTOですが、シンガポールでは正当な資本市場の手段として認識されています。
SGXはRTOに関する規制と情報開示の枠組みを整備し、透明性の高い市場環境を提供しているため、適切な条件下であれば戦略的な上場手段として積極的に利用されています。
RTOの主なメリットと適用シーン
-
迅速な上場:IPOに比べ、時間をかけずに上場できる。
-
資産評価の柔軟性:特に不動産や資源など、評価額の上昇が見込める資産に有利。
-
プライバシーの保護:創業ストーリーなどの詳細な開示を避けることができるケースもある。
4. 注意点と今後の展望
一方で、RTOには慎重な対応が必要な側面もあります。特に、資産評価や経営権の移転に伴う法務・財務リスクが存在します。SGXも過去の事例を踏まえ、資産評価に関するルール強化を進めています。
5. 最後に
SGXでは、RTOは「裏口」ではなく、企業成長のための正当かつ実践的な手段と位置づけられています。IPOだけが上場の選択肢ではない時代、企業オーナーにとって最適な上場戦略を考える上で、RTOは十分検討に値する方法と言えるでしょう。
今回は以上となります。SGXでの上場に関するご相談もお待ちしております。