タイ関税局(Customs Department)は2025年12月に、輸入申告価格が1,500バーツ以下の少額貨物に対する関税免除を廃止する方針を正式に発表しました。これにより、2026年1月1日以降、価格がわずか1バーツの商品であっても関税および付加価値税(VAT)の対象となります。
【背景】
これまでタイでは、1,500バーツ以下の小口貨物は関税とVATの免除が認められ、特に越境EC(電子商取引)による輸入品が税負担なしで多数流入してきました。しかし、低価格輸入品が国内の中小企業や販売業者との競争を不公平なものにしているとの指摘が強まり、政府は公平な競争環境の確保や税収基盤の強化を目的として免除措置の撤廃を決定しました。
【主な変更内容(2026年1月1日適用)】
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対象変更前:輸入申告価格 1,500バーツ以下の貨物は関税・VATが免除される
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変更後(2026年1月1日以降):すべての輸入貨物(1バーツ以上)について関税およびVATが課税される
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関税率は品目ごとのHSコードに基づき算定され、VAT(7%)と合わせた課税となる
【ECプラットフォームとの連携】
関税局はShopee、Lazada、TikTok Shopなどの主要越境ECプラットフォームと協力契約を結び、購入時点で関税・VATを徴収する仕組みづくりを進めているとのことで、これにより、消費者がオンラインで支払い時に税金分を精算し、通関手続きがスムーズに進むよう調整中となっているようです。
【企業・消費者への影響】
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消費者価格の上昇
これまで免税だった低価格商品にも関税・VATが上乗せされるため、海外製品の最終販売価格が上昇する見込みです。
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越境ECと物流事業者の負担増
全輸入貨物が課税対象になることで、通関申告・税額計算・徴収プロセスが複雑化し、物流事業者の運用負担が増える可能性があります。
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国内企業の競争環境改善
国内の製造業者・小売業者にとっては、低価格輸入品との価格差が縮小し、競争条件が改善される期待が示されています。
今回の措置について、越境EC市場の構造転換につながる重要な制度変更とみられています。輸入・販売事業者は、価格戦略や通関プロセスの見直し、税務対応体制のきょうかや消費者向け表示やコスト計算についても注意が求められる形となります。