インドでのビジネス展開において、移転価格文書化は非常に重要なコンプライアンス事項です。特に、Form 3CEAAと3CEABについて理解しておくことは、国際的な取引を行う企業にとって欠かせません。本ブログ記事では、これらのフォームに関する詳細をわかりやすく解説します。
1.そもそも移転価格とは?
移転価格とは、関連企業間で行われる取引における価格設定のことです。多国籍企業は、税負担を最小限に抑えるために価格操作を行う可能性があるため、各国の税務当局は適正な価格設定を求めています。インドでもこの問題に対応するため、移転価格文書化が義務付けられています。
2.Form 3CEAAと3CEABの概要
インドでは、2016年からBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)行動計画13に基づき、移転価格文書化が義務付けられています。これにはマスターファイルと国別報告書が含まれ、Form 3CEAAと3CEABがその一部です。
①Form 3CEAAについて
Form 3CEAAは、インドにおける移転価格文書化の一環として提出が求められるマスターファイルの一部です。このフォームは以下のように分かれています:
[Part A]
インド居住の全ての多国籍企業グループ構成会社に適用される基本情報を提供します。
[Part B]
以下の条件を満たす企業が対象です。
・国際グループの連結売上高が50億INRを超える。
・国際取引総額が5億INRを超える、または無形資産関連取引が1億INRを超える。
申告期限は11月30日です。このフォームは、親会社ではなくインド子会社で作成義務が発生する場合があるため注意が必要です。
②Form 3CEABについて
Form 3CEABは、インドに構成企業が2社以上存在する場合に必要となるフォームです。このフォームでは、多国籍企業がどの企業を代表してマスターファイルを提出するかを通告します。申告期限は10月31日です。
3.マスターファイルの重要性
マスターファイルは、多国籍企業グループ全体の事業活動や財務情報をまとめたものであり、税務当局に対する透明性を確保するために必要です。インドでは、日本よりも低い基準で適用されるため、日本で義務がなくてもインドでは必要となる場合があります。
4.実務上の注意点
- 申告期限: 日本よりも早い11月末までに提出する必要があります。
- 内容調整: 日本で作成したマスターファイルをそのまま使用することはできず、インドのフォーマットに合わせた調整が必要です。
- 罰則: 未提出の場合には50万ルピーの罰金が科されます。
5.インドビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください
今回は「インドの移転価格文書;Form 3CEAAと3CEAB」について解説しました。
私たち「東京コンサルティングファーム」は、会計事務所を母体とした20ヵ国超に展開するグローバルコンサルティングファームです。
海外現地では日本人駐在員とローカルスタッフが常駐しており、また各拠点に会計士・税理士・弁護士など専門家チームが所属しているため、お客様の多様なニーズに寄り添った対応が可能です。
本稿で解説した、インドの移転価格文書に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事は、インドに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。