こんにちは、ベトナム・ハノイ支部の小瀬です。
本日は、外国人がベトナムで就労する際に必要となる「ビザ」「労働許可証(WP)」「一時滞在許可証(TRC)」の取得手続きに関して、ベトナム当局の最近の取り締まり強化に伴う重要な実務上の変更点をお知らせいたします。
これからベトナム赴任を予定されている方、および人事労務のご担当者様は、必ずご一読いただきますようお願い申し上げます。
1. 各種許可証の基本的な役割と注意点
まずは前提となる各種許可証の役割をおさらいします。
- DNビザ(商用ビザ): 就労・ビジネス目的でベトナムへ入国・滞在するためのビザ。
- 原則の期限: 3カ月
- 取得タイミング: ベトナム入国前
- 労働許可証(WP): ベトナム国内での就労に対する許可。
- 原則の期限: 2年間
- 取得タイミング: 法令上は「入国前」ですが、実務上は「入国後」の取得が一般的でした。
- 一時滞在許可証(TRC): ベトナムに長期滞在するための身分証明書(2年間のビザのような役割)。
- 原則の期限: 2年間
- 申請条件: 適切なビザおよびWPを保持していること。
⚠️ 【重要】パスポート残存期間に関するご注意 WPおよびTRCの期限は原則2年間ですが、申請時のパスポート残存期間が2年未満の場合、許可証の期限もパスポートの残存期間に合わせて短縮されてしまいます。 申請前に必ずパスポートの有効期限をご確認いただき、残存期間が短い場合は事前の更新手続きを強く推奨いたします。
2. 従来の手続きの流れと、最近の「厳格化」について
【従来の手続き(一般的な流れ)】
- 日本で「DNビザ」を取得してベトナムに入国
- ベトナム国内に滞在しながら「WP」を取得
- DNビザの有効期限内に、WPを使って「TRC」へ切り替え申請
【現在の状況(厳格化)】 ごく最近になり当局の取り締まりが急激に厳しくなり、「DNビザから直接TRCへ切り替える手続き」が実務上認められなくなりました。
現時点で当局からの公式な通達は発表されていませんが、窓口での運用レベルで厳格化が始まっており、従来通りのスケジュールでの手続きが困難になっております。
3. 現状における有効な対応策(2つのパターン)
公式な発表がない中での急な変更となり大変恐縮ですが、現状の実務対応としては以下の2パターンのいずれかで進めることが最も確実です。
状況に合わせてご選択ください。
パターンA:赴任時期に猶予がある場合(法令遵守の基本ルート)
法令に則った最も確実で安全なルートです。赴任まで時間がある場合はこちらを推奨します。
- 日本滞在中に、ベトナムの「WP」を取得する。
- WP取得後、日本で「LDビザ(労働ビザ:期限1年)」を取得する。
- LDビザでベトナムに入国する。
- (入国後、必要に応じてTRCへ切り替える)
※デメリット:WPの取得に約3ヶ月の期間を要するため、赴任を急ぐ場合には不向きです。
パターンB:お急ぎで赴任が必要な場合(暫定的な対応策)
WP取得を待たずに、まずはベトナムへ入国する必要がある場合の暫定ルートです。
- 従来通り、日本で「DNビザ」を取得し、ベトナムへ入国する。
- ベトナム国内で「WP」と「LDビザ」の両方を取得する。
- 取得した「WP」と「LDビザ」を基に、「TRC」の取得申請を行う。
本件に関して、現在も当局の運用が流動的であるため、今後さらに手続きの要件が変更される可能性もございます。新たな情報が入り次第、速やかにお知らせいたします。
個別の赴任スケジュールに関するご相談や、本件に関するご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。