外資規制 Part.3
今回は、ベトナムの外資規制のうち「出資比率による規制」の分野について紹介します。
2007年のWTO加盟に伴い、12の分野のうち11の分野において市場を開放することを発表しました。
その解放される分野とは、
①法律、会計、監査、税務、コンサルティングサービス
②情報通信などのコミュニケーションサービス
③建設サービス
④卸売り、小売、フランチャイズなどの流通サービス
⑤教育サービス
⑥汚水廃棄物処理などの環境サービス
⑦保険、銀行、証券などの金融サービス
⑧病院などの健康関連サービス
⑨ホテル、旅行業などの観光サービス
⑩娯楽サービス
⑪海上、航空、鉄道、道路などにおける運送サービス
があり、これらは段階的に市場開放が進んでいます。
③建設サービス④流通サービスの分野においては、既に外資100%による進出が可能となっています。
外資企業に対する出資比率の制限をいくつか例にあげてご紹介します。
〈基本通信事業サービス〉
・ネットワークインフラを備えない場合:外国企業の出資比率は合弁会社の資本金の65%を超えてはならない
・ネットワークインフラを備える場合:外国企業の出資比率は合弁会社の資本金の49%を超えてはならない
〈映画製作・配給・上映〉
・合弁会社の設立または事業協力契約の締結のみ可能である
・外国企業の出資比率が合弁会社の資本金の51%を超えてはならない
〈銀行及びその他金融業〉
・商業銀行の株式で出資する場合、外国企業の出資比率はその商業銀行の定款資本金の30%を超えてはならない
〈海運サービス〉
・ベトナム国旗を掲揚する船隊の運営会社を設立する場合:サービスを提供する外国業者は外国側の出資率が合弁会社の法定資本の49%を超えない合弁会社の設立を認める
・国際海運業サービスを提供する会社設立の場合:外国の海運会社は100%外資企業の設立が可能である
〈鉄道運輸サービス〉
・外国企業の出資比率は合弁会社の法定資本金の49%を超えてはならない
〈航空サービス〉
旅客ターミナル、航空貨物ターミナル運営、燃油供給、地上での技術および商業サービス、または飛行場運営サービスを提供する場合、外国投資家または外国企業の出資比率は定款資本金の30%を超えてはならない
以上はほんの一部をご紹介したのみです。
実態としましては、規制の緩和が明示されていても投資許可が下りないというケースもよくあります。100%外資で投資可能な分野でさえ、実際のところ投資審査を通過できないこともよくあります。
以上が出資比率による外資規制となります。
ありがとうございました。