インドの会社法上、会計年度は原則4月~3月と規定されておりますが、会社法審判所(The National Company Law Tribunal; NCLT)に対して異なる決算日の申請を行う事で、決算日(会計年度)を変更することが可能です。ただし、下記のような理由を満たすことが必要となります。
- インド国外に親会社や子会社がある
- インド国外で連結財務諸表を作成するために、決算日の変更が必要である
上記はあくまで申請時に使用される一般的な理由になりますが、会計年度変更が必ずと言っていいほど必要になる理由付けを申請書書類の中で記載しておくことがポイントと言えます。
また、所要時間は当局マターな部分や申請内容によって差異もあるため、申請後約3~6ヶ月程度の時間を見込んでおく方がよろしいでしょう。
インド子会社の会計年度変更は、親会社の連結決算が主な目的になりますが、インドに進出する日系企業では会計年度の変更を行う場合と会計年度を行わない場合がございます。
理由としましては、仮に会計年度を4月~3月から1月~12月に変更したとしても、所得税(確定申告、税務監査、移転価格等)のために3月決算で再度任意監査を行う必要があり、1会計期間に実質的に2度の監査を行う必要があるためです。
これはインドの会社法上は会計年度の変更が許容されているものの、インドの税法上は4月~3月から変更することが許容されていないからです。
従って、インドに進出する日系企業では下記の2パターンから選択する形になります。
- 会計年度を変更せずに、12月決算で任意監査、3月決算では通常の法定監査を行う
- 会計年度を変更し、12月決算では法定監査、3月決算で任意監査を行う
そのため、親会社として必ずしもインド子会社の会計年度の変更が必要でない場合は、あまりメリットがあると言えない状況のため、①のパターンを選択した方がよいと言えます。逆に、親会社としてインド子会社も会計年度の変更が必ず必要という場合は、②のパターンを選択する形になります。
実務上はやはり①を選択されている企業が多いと言えます。しかしながら、IFRSでは親会社と子会社の決算期の統一が求められている事や12月末決算が法定で義務付けられている中国子会社を考慮することもあります。
いずれにしましても、会計年度変更は最終的には親会社の意思決定に帰する部分が強いため、日本本社の監査人や連結担当の方同士でもディスカッションが必須であると言えます。