2019年11月2日付の消費者保護に関する法律(以下、「消費者保護法」)の公布を受け、商業省(以下、「MOC」)は2022年3月1日、カンボジアにおける消費者と事業者の契約について、利益の過度な搾取や状況の濫用から消費者の権利を保護することを目的とした、不公正契約条件に関するPrakas 0067を発行しました。小売業者、サービス提供者、銀行、金融機関、eコマースプラットフォーム、不動産会社等、消費者との取引に交渉不能な標準契約書を使用する事業者は、そのような契約書に不公正な契約条項が含まれていないことを確認する必要があります。
〇「標準契約書」とは何か?
事業者が消費者に商品および/またはサービスを提供するために、消費者が当該契約について交渉したり、修正したり、何らかの形で影響力を行使したりすることを認めることなく、あらかじめ策定された契約または契約条項のことです。
Prakas 0067では、標準的な契約形態の例は記載されていませんが、以下が標準的な契約形態と捉えることができます:
”事業者が消費者に商品および/またはサービスを提供するために、消費者が当該契約について交渉したり、修正したり、何らかの形で影響力を行使したりすることを認めることなく、あらかじめ策定された契約または契約条項。”
Prakas 0067では、標準的な契約形態の例は記載されていませんが、以下のようなものを基本的には標準形態と捉えることができます:
- エンドユーザーへのモバイルアプリやウェブサイトに掲載される契約。
- 販売員と消費者間の商品提供に関する売買契約。
〇不当な契約条項とは?
「消費者の利益を過度に搾取するような標準的な契約形態の条項」を指します。
Prakas 0067によると、不公正と解釈される条項には以下のようなものがあります:
-サービスおよび/または商品の保証に関する事業者の責任を除外または制限する条項。
-消費者の事前の同意なしに、商品および/またはサービスの種類、数量、価格、品質を実質的に変更または修正する権利を事業者に付与する条項。
-消費者の事前の同意なしに、事業者が標準契約書の実質的な条項を変更する権利を付与する条項。
-事業者が独自の裁量で契約を一方的かつ恣意的に解釈し、または解除する権利を付与する条項。
※ただし、ある条項が過度な利益の搾取を含むかどうかは、当事者の経済的優位性、社会的状況、知識、経験などいくつかの要素に照らして慎重に評価する必要があります。
また、その評価基準は、関連省庁、機関、または所轄の規制当局が発行する分野別規則の下でさらに規定されることもありますのでご留意ください。
〇企業がすべきポイント
事業者は、以下の要件を満たす標準的な契約書を作成することにより、コンプライアンスをより確保することができます:
-明確、正確かつ理解しやすい表現で書面化されていること
-クメール語で作成されていること(ただし、消費者の要望に応じて外国語(英語)で作成することも可能)。
-消費者保護関連規則が要求する標準的な情報が記載されていること(価格、支払方法、注文のキャンセル方法、返金、商品の配送または交換が含まれるが、これらに限定されません)。
-事業者は、標準契約書の重要な条項について説明し、強調し、明確な情報を提供する。
電子商取引の場合、標準契約書の重要条項は、消費者が承諾する前に目を通す機会を確保し、消費者に明確に説明されなければなりません。また、実質的な条項の変更について消費者の同意を求め、条項の変更について消費者に通知する必要があります。
さらに、事業者は、適用される法令に従い、国家消費者保護委員会(the National Commission for the Consumer Protection(NCCP))または所轄の規制当局にそのような要求を提出することにより、コンプライアンス確保のため自社の標準契約書式の見直しを要求することができます。
〇消費者の権利
Prakas 0067は、消費者に以下の権利を認めています:
-商品および/またはサービスと契約に関する必要な情報へのアクセス。
-契約締結に先立ち、事業者に対して更なる説明と納得を求め、契約内容、特に重要な条項を検討するための十分な時間の要求。
-カンボジア法に基づき、過度の利益搾取を提供し、不公正とみなされる条項の取り消しまたは批准。
※さらに、消費者または関係者は、このPrakas 0067に違反した場合に、NCCPまたは関連省庁、機関、規制当局に対して、苦情を申し立てすることも可能です。
〇罰則金
不公正な契約条項の使用は、消費者保護法により罰せられる不正行為とみなされます。罰則には、商業登録証の停止、取り消し、無効、および最高50,000,000KHR(約12,500米ドル)の罰金が含まれます。
ただし、暫定的な罰金の支払いは、他の関連法規に規定される刑事・民事責任が免除されるものではありません。