こんにちは、ベトナム、ハノイ支部の小瀬です。
ベトナムでの事業展開において、最も基本的かつ重要な要素の一つが「土地」に関する規制です。 2024年土地法の施行に伴い、賃料の支払方法や価格算定基準に重要な変更が生じています。
今回は、外資系企業が知っておくべきベトナムの土地所有原則と、最新の法改正による2026年に向けた留意点をまとめました。
貴社の事業計画やリスク管理の一助となれば幸いです。
【1】基本原則:土地は「所有」できず「使用」する
ベトナムでは憲法上、土地は「全人民の公共財産」と定義されており、企業(外資・内資問わず)が土地そのものを所有することは認められていません。
代わりに、国家から「土地使用権(LUR: Land Use Right)」を取得することで、事業用地として利用する権利を得る仕組みとなっています。
【2】外資系企業の主な土地取得パターン
外資系企業が土地使用権を取得する方法は、主に以下の2つです。
- 土地賃借(Land Lease) 【最も一般的】
- 国家から土地を借り受け、地代を支払う形態です。
- 工業団地へ入居する場合、通常は開発業者(デベロッパー)からインフラ付き土地使用権を転貸借(サブリース)する形となります。
- 土地割当(Land Allocation)
- 分譲住宅開発など、特定のプロジェクトにおいて国家から有償で割り当てを受ける形態です。
【3】コストへの影響:市場価格の反映
2024年土地法(法律第31/2024/QH15号)に基づき、土地使用料や地代は「市場価格」を反映した地価表および具体的地価によって算定されます。 これにより、実勢価格に合わせてコストが変動するリスクを考慮する必要があります。
【4】ここが重要!2026年に向けた実務上の留意点
新土地法の下では、以下の2点が実務に大きな影響を与えます。特にキャッシュフロー計画の見直しが急務です。
① 地代支払いの「原則年払い化」 従来認められていた一括前払いの選択肢が限定され、特定の分野を除き、地代の支払いは「原則として年払い」となりました。 初期投資コストが平準化される一方で、毎年のキャッシュフロー計画への影響を慎重に見積もる必要があります。
② 不動産管理のデジタル化(2026年3月〜) 2026年3月1日より、不動産にデジタル識別コードを付与する新たな規制が施行されます。これにより土地管理の透明性が向上し、権利関係の確認などがよりスムーズになることが期待されています。
【まとめ】 ベトナムの不動産規制は、透明性の向上と市場原理の導入へ向かって大きく動いています。特に地代の支払いサイクルの変更は、長期的な資金計画に直結するため、最新の運用規則を確認することをお勧めいたします。
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