プロジェクトベースでのトルコ進出①
  
Topic : Establishment
Country : Turkey

プロジェクトベースでのトルコ進出について書いていきたいと思います。

 

通常、海外進出の流れは、最初に駐在員事務所(Liaison/Representative Office)を設置した上で市場調査等を行い、その後支店や現地法人を立ち上げるという進出フローが一般的です。

しかしながら、建設やインフラ設備等、特定の業界や業種によっては、一定期間のプロジェクトベースで海外でのビジネス活動を行われている日系企業様もいらっしゃるのではないでしょうか?
今週は、そのようなプロジェクトベースでトルコ進出を行う際の進出形態に焦点を当て、説明をさせていただきます。

 

①進出形態

プロジェクトベースでの進出が通常の海外進出と異なる点は、進出前の段階で活動を行う期間がプロジェクトの開始から完了までの一定期間に限定されているという点です。

インドなど特定の国においては、プロジェクト単位での進出に特化した「プロジェクトオフィス」という拠点形態での進出が認められている国もありますが、トルコにおいてはプロジェクトオフィスの概念が存在せず、通常の進出時と同様、現地法人若しくは支店いずれかの形態で拠点の設立を行った後、プロジェクトを開始する必要があります。

 

一方、プロジェクトの期間によっては、拠点(=恒久的施設[PE: Permanent Establishment])の設置が必ずしも必要にはならない場合もあります。
この場合、トルコ国内にPEが存在しない為、原則トルコ側での所得課税がなされないことになります。

日本とトルコの租税協定では、建設プロジェクトに関するPE認定についてはプロジェクト期間が6ヶ月を超過するか否かで判断される旨が記載されています。(下記参照)
詳細は、本ブログ最下部に記載の参考文献、二国間租税条約第五条「恒久的施設」をご参考いただければ幸いです。


【二国間租税条約第五条「恒久的施設」より抜粋】

3 建設工事現場又は建設、据付け若しくは組立ての工事は、六箇月を超える期間存続する場合に限り、「恒久的施設」とする。

 

4 一方の締約国の企業が他方の締約国内における建築工事現場又は建設、据付け若しくは組立ての工事に関連して、六箇月を超える期間、当該他方の締約国内において監督活動を行う場合には、当該企業は、当該他方の締約国内に「恒久的施設」を有し、当該「恒久的施設」を通じて事業を行うものとされる。


上記の記載内容から、プロジェクト期間が6ヶ月未満の場合には、PEの設置は必ずしも必要ではない一方、6ヶ月以上の場合には現地法人もしくは支店を設置する必要があります。

ただ、プロジェクト期間はその進捗により延長される可能性も大いにあるかと思います。
従って、開始前の段階で当該期間を超過することが少しでも想定される場合には、後々のPE認定リスクを回避する上でも、プロジェクトの開始に先立って拠点を設置されるのが賢明かと思います。

 

この記事に対するご質問・その他トルコに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献

・二国間租税条約 [トルコとの租税 (所得) 協定 (その1)]
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/A-H6-2191_1.pdf

Creater : Yumi Miura

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