ブラジルは、法制度の複雑さや税率が高いことなどを起因に、日系企業はじめ、外資企業にとって進出のハードルが高い国と言われています。
実際のところ、ブラジルでのビジネスに希望をもって進出したものの、数年あるいは、苦労しながらもなくなく撤退してしまった企業が多々ございます。
その中で、改めて考えていきたいこととして、ブラジルでの “ビジネス戦略”を取り上げさせていただきます。実際の失敗事例を踏まえて、私自身が考えるポイントをお伝えいたします。
まずは、ニュース専門の放送局、CNBCのYouTubeチャンネル(英語)の“Why Walmart Failed In Brazil?” という動画をご覧いただけると幸いです。(動画は約7分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=fFPMUIT9seg
いかがでしたでしょうか。
小売業・スーパーマーケットチェーンで世界トップの米国企業Walmartでさえ、ブラジルでのビジネスに苦戦していた、、というのはもしかすると意外だったと感じた方も多いかもしれません。
動画の中で、なぜWalmartがブラジルでのビジネスが上手くいかなかったのかということについて4つのポイントにまとめています。
- Labor troubles (労働問題)
- Inefficient operations (非効率なオペレーション)
- Store locations (店舗の場所)
- Uncompetitive prices (競争力に乏しい価格)
私自身がお伝えしたいポイントはこれら4つから少し異なる視点で、そして、動画の中に出てくる、ブラジルの小売業で成功を収めている、“Atacadão”という企業の事例を踏まえてお伝えいたします。
(なお、Atacadãoは2007年にフランス系スーパーマーケットのカルフールに買収されています。)
実はタイトルにすでに記載しているのですが、“あえて”利用される商品・サービスとなれなかったことが、Walmartがブラジルでのビジネスが上手くいかなかったポイントであると考えます。
もう少し詳しくお伝えいたします。
恐らく、Walmartはブラジルに進出した当初、競合である、ブラジル地場のスーパーマーケットからWalmartに利用者が切り替えをすることをで、顧客を獲得しようとしたのではないかと考えます。そのため、Walmartの強みを生かして、売値を下げた目玉商品を多く揃え、店舗を一気に拡大したのではと思います。
ですが、成功したAtacadão(読み:アタカドン)の取り組みを踏まえますと、これまでWalmartのようなスーパーマーケットに足を運ばなかった人々をいかに利用者にするか、彼らがスーパーマーケットを“あえて”利用したいと思う仕掛けをつくれるかが、Walmartが本来考えるべきポイントだったのだと思います。
別の言い方をすると、Walmartの競合は、地場や他の外資系のスーパーマーケットではなく、青空市場(Feira 読み:フェイラ)であった、ということです。
Atacadãoでは、実際に下記のような取り組みを行うことで、これまでスーパーマーケットに中々足を運ばなかった層にスーパーマーケットに行きたいと思わせます。
- Cash-and-Carry(現金払い・店頭渡し)
- 系列のお店やサービスでのみ使えるクレジットカードの導入
Walmartもこれらの取り組みに遅れながらもブラジルで取り組んではおりますが、
動画の中でも出てきております通り、Atacadãoの大元であるカルフールと比較すると(2017年時点)、少ない売上額で2倍以上の差をつけられているため、中々苦しい状況が続いています。
長くなりましたが、改めて、ご自身の会社のケースで考えたとき、
- 本当にとらえるべき競合はどこであるのか、
- “あえて”自社の商品やサービスを利用してもらうためにはどんな取り組みをするべきなのか
この2点について、今回を機にぜひ考えてみていただけると幸いでございます。
この記事に対するご質問・その他ブラジルに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。