■ 清算
・裁判所による清算(Winding Up by Court)
この方法は、債務者、債権者、所轄大臣などの「申立て(Petition)」により開始されます。会社法4 6 4条は裁判所が強制的に会社を閉鎖させる要件を規定しており、申立て原因が規定の要件のいずれかに該当する場合、裁判所は閉鎖命令を発します。
債権者が申立を行う場合の最低債権金額である1万リンギット以上の債務を、期限から3週間以内に弁済できない場合に、当該企業は支払不能(Unable to Pay)の状態にあるとされ、申立が認められます。
従前、最低債権金額が5 0 0リンギットであった際には、解散を意図する場合に、第三者に依頼して自社に対して負債の取立ての裁判を起こさせ、その裁判で抗弁せずに敗訴して支払不能とし、それを理由に破産手続を申請させ、会社を閉鎖させるという方法が広く用いられていました。現在はこの金額が1万リンギット以上に引上げられていますが、ほかの清算手続と比較して簡易であり、費用が少なくかつ短時間で閉鎖が成立する方法だと言われています。
・株主による任意清算(Members’ Voluntary Winding Up)
株主による任意清算は、債務者会社自身がその定款に定める特別決議により手続を開始します(445条)。ただし、すでに支払不能を理由として裁判所による閉鎖が指示されている場合には、株主による任意清算手続は開始できません。
手続は会社の特別決議のみにより開始され、裁判所への申立を要せず、裁判所の関与は限定されます。
会社法4 4 3条1項(B)の規定により、会社が向こう1 2カ月以内に全債務を弁済できる状況下で会社が清算を行いたい場合、会社はその特別決議をもって株主による清算を宣言できます(Declaration of Solvency)。
株主総会で株主による清算の特別決議がなされ、清算人(Liquidator)が指名されると、清算に関する取締役会の議事録、債務不履行届、財務報告、清算人指名通知、決議通知書、公的財産管理事務所への届出、会社登記官長への通知、国税庁長官への通知などを、マレーシア関係各省庁に提出します。
清算人が提出作業をすべて終了し、最終的に清算が認められるまでには、清算の決定日から最低で2年を要します。
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