【2021年4月の労働法改正について】
メキシコの労働法はメキシコ革命の影響もあり、労働者保護の考えが強く残っています。特に、PTUと呼ばれる労働者利益分配金
(Participación de los Trabajadores en las Utilidades de las Empresas)が特徴的です。
PTUとは、企業の課税所得の10%に一定の調整を行った額を従業員へ分配するものであり、企業に義務付けられているので、メキシコの企業にとって重い負担となっています。
リンク先:メキシコのPTUと昇給の関係性
メキシコにおけるPTU総支給額の分配方法について
そのため、メキシコにおいては事業会社が直接雇用する労働者の数を減らし、グループ内のサービス会社やグループ外の人材派遣会社から労働者の派遣を受けることで、
企業グループ全体としてのPTU負担を軽減させるという「人材派遣スキーム」を行う企業が一定数存在していました。
2012年の労働法改正の際に人材派遣に関する規制が設けられていましたが、実際には、当該改正後も、新規に設立した会社も含めて人材派遣スキームケースが多くありました。
2021年4月の労働法改正では、メキシコで従来から問題とされていた人材派遣にまつわる違法又は不当な実務に対処することを目的とするものですが、
本改正により人材派遣サービスの提供・利用が広く規制される結果、人材派遣スキームを採用している企業もその影響を大きく受けることとなります。
詳細については以下のブログを参照ください。
リンク先:労働法改正
【PTU に関する支払上限の設定】
これまでは課税所得の10%を労働者に対して分配することが必要とされていましたが、2021年4月の労働法改正により、各労働者に対するPTUの支給額に上限が設定されました。
上限とは以下の2つの大きい額となります。PTUの金額が上限を超える場合、労働者に対するPTUの支払額はその範囲に限定されることとなります。
・労働者の月額給与の3倍
・過去3年間のPTU受給額の平均
【おわりに】
労働者利益分配金(PTU)の1人当たり分配額の上限については、2021年5月30日まで(雇用主が法人の場合)、
あるいは6月29日まで(自然人の場合)に支払う必要がある2020年度のPTUから適用されると解釈されるが、本件についての明確な政府発表はありません。
PTUだけでなく、今回の改正については見直すべき点が多いので、これを機に見直してみていただければと思います。今回は以上となります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。