■ 産業別動向
[ 繊維産業 ]
繊維産業は今もベトナムにおいて重要な産業の1つです。今から約5年前に、環太平洋経済連携協定(以下、TPP)のメリットを享受するため、 外資系企業はベトナム繊維業へ多額の投資を行っています。
今後のベトナムの繊維産業の見通しとしては、伊藤忠商事株式会社の子会社であるITOCHU Textile Prominent(ASIA)Ltd.も株式を保有する、ベトナム国営繊維企業グループ「VINATEX(ビナテックス)」によれば、2020年に流行した新型コロナウイルスの影響により、中期的にはこれから数年間、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受ける前の状況にもどることはないだろうと予測しています。しかし、長期的に見れば、イギリス・ベトナム自由貿易協定(UKVFTA)によりイギリスがベトナムの商品を対象に、約99%の関税を撤廃することやEU自由貿易協定(EVFTA)が、2030年までにベトナムの繊維産業と衣料品産業の成長を6%と14%促進すると期待されていることもあり、今後もベトナムの繊維産業の成長の可能性に期待できそうです。
また、ベトナムの繊維産業は、日本や韓国から輸入して英国やEUに輸出することで、原材料の供給を多様化することができ、これは多くのアセアン諸国に不足している強みであるとベトナム繊維協会(VITAS)も主張しています。
今後も、同産業の需要の増加に伴い、ベトナムに進出している企業は製品の原産地や技術・労働・環境基準などについても注意を払う必要がでてくるでしょう。
労働環境といえば、現在、ベトナムの繊維業では労働集約型事業の高コスト化や国内向けのサービス拡大に伴って、産業構造の転換が起きています。ベトナムの人件費においては年々上昇傾向にあり、ベトナムにある外資系一般企業の昇給率も平均5~10%上昇しています。ジェトロの調査「2020年度 アジア大洋州・日本投資関連コスト比較調査(2021年3月)」によれば、向上のワーカーで6,180,010ドン(約270米ドル)、アパレル店員のアルバイト代は10時間勤務(内1時間休憩)を約1か月間行った場合、5,500,000~6,000,000ドン(約250米ドル前後)となっています。一般職になると、スタッフですら、これらの2~3倍になってきます。
また、産業構造の転換においては労働集約型事業から地産地消型(外資系企業にとっては地消地産の方が正しい)に移り変わってきており、ベトナムの小売市場の可能性にも目を向けられつつあります。同産業の良い例が、満を持して2019年に消費者向けに小売り業としてベトナム進出を果たしたUNIQULOです。同社はこれまでベトナムに工場を構えて生産拠点としてきました。実際に、2018年11月にユニクロが公開した工場リストにも、主要縫製工場リストで43つ、主要素材工場リストで9つの工場を構えて生産しています。そして現在は、ベトナム国内にもホーチミンやハノイ近郊を中心に数店舗展開しています。進出後、店舗を急展開している同社は、今後もベトナムにてより多くの消費者に向けて商品を届けるべく、店舗展開を続けていくことでしょう。
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