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今回は
【タイ人従業員の解雇について ①】というテーマで、お話していこうと思います。
タイ人従業員の解雇について ①
タイ労働法における解雇の種類には、(1) 解雇補償金を支払う必要のあるケースと、(2) 支払いが不要となるケースの2通りがあります。
(1) 解雇金を支払う必要のある解雇のケース
以下3つの理由による従業員の解雇には、解雇補償金の支払いが必要となります。
①会社都合による通常解雇
②機械導入や技術変更に伴って、従業員数の削減の必要性が生じた場合の解雇(=整理解雇)
③オフィス移転が原因となる従業員の退職
解雇補償金については、労働法118条に明記されており、詳細は以下の表となります。

※2019年の労働法改正により、「勤務期間が20年以上の従業員に対して、退職時賃金の400日分の解雇補償金」が追加されました。
(改正前は、「勤務期間が10年以上の従業員に対して、退職時賃金の300日分」が最大となっていました。)
勤続期間によって金額が異なりますので、雇用契約書や従業員名簿等から勤続期間を確認し、解雇補償金額を確定していきましょう。
また、補償金額は、基本給与ではなく「賃金」と明記されています。毎月一定額支給しているような手当(例えば交通費)は、
賃金とみなされるため、解雇補償金を算定する際には、留意が必要です。
また、2017年9月の労働法改正により、タイでは定年が60歳と定められ、定年退職する従業員に対して上記の解雇補償金の支払いが必要となることが決まりました。
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Section 118/1
In the case of doesn’t have the agreement or definition of retirement age or have an agreement or definition of retirement age more than 60-year-olds. The employee who has 60-year-olds up entitle to retire by request to the employer and it will be effected on date 30 after requirement. The employer must pay the severance pay to the retired employee under section 118 paragraph 1.
118条1
退職年齢の合意または定義がない場合、または 60歳以上の退職年齢の合意または定義がある場合、年齢が60歳の従業員は、
退職する権利を有する。当権利は、当該年齢の従業員が退職を希望した後30日に効力を有するものとする。
雇用者は、退職した従業員に対して、第118条第1項に基づいて退職金を支払わなければならない。
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なお、整理解雇の場合には、118条の解雇補償金に加え、特別解雇補償金の支払いも必要となる点、留意が必要です。
(2) 解雇補償金の支払いが不要となる解雇のケース
労働法119条では、以下の場合においては、雇用者側の解雇補償金の支払いが不要であると明記されています。
- 従業員が犯罪を犯した場合
- 故意に雇用者に損害を与えた場合
- 雇用主に重大な損害を引き起こす過失行為を行う場合
- 規則または命令に違反し、雇用主から書面による警告を受けた場合(※書面による警告は、従業員が違反日から1年を超えない範囲で有効)
- 正当な理由なく3営業日連続で休んだ場合
- 裁判所判決により投獄される場合
書面による警告については、原則として就業規則や雇用契約書に明記されている場合となるため、
規律部分についてはしっかりと明記し、HRスタッフから従業員へ、伝え漏れがないようにする必要があります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。