移転価格税制とは、当該法人とその国外関連者間で取引をする際に、独立企業間価格(ALP: Armʼs Length Price)と異なる価格で取引を行った場合、その取引が独立企業間価格で行われたものとして課税する税制のことをいいます。これは関係会社間での取引価格を通じて所得を国外に移転することを防止するために、定められています。
マレーシアにおいては、2003年7月にマレーシア内国歳入庁が移転価格ガイドラインを公表しました。これは、「法律」ではなく、「運営指針」としての性質を持つものでした。法的な強制力はありませんが、税務執行を行う内国歳入庁が示した指針であるため、実務上、納税者はこれに沿った対応をしなければなりません。この移転価格ガイドラインは、OECDによる移転価格ガイドラインとほぼ一致しており、2009年1月1日より、所得税法140条Aに根拠規定を設けて、施行されています。
2003年7月より施行された移転価格ガイドラインに代わり、2012年に新たに改訂移転価格ガイドラインが施行され、移転価格文書作成の義務化され、特定の内容のみを記載する形で短縮版文書を作成することが認められました。
さらに、2012年5月より、以下2つの規則が設けられました。
・ 移転価格に係る規則(Income Tax (Transfer Pricing) Rules2012) ・ 事前確認に係る規則(Income Tax (Advance PricingArrangement) Rules 2012)
これらは遡及して、2 0 0 9年1月1日より施行されたとみなされています。 2017年1月には、OECDガイドライン行動計画13に準拠する形で、CbCR (Country by Country Report)に関するガイドラインが発布されました。これは移転価格文書であるマスターファイルとローカルファイルに附属する形で提出義務のある3つ目の文書としての位置付けられ、また、どういったことを文書内容として記載するかを示したガイドラインとなっています。
CbCRの特徴は、多国籍企業グループの各国別の活動状況(財務情報、従業員数、有形資産額、主要事業など)に関する情報を包括している点にあり、重大な移転価格リスクの存在の有無を評価するために用いられています