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Accounting (Audit)
:: Question ::
財務報告書の構成について教えてください。
:: Answer ::

 会計帳簿については、年次や半期等、一定の期間ごとに財務報告をする必要があります。

財務報告書の構成、作成方法、その他の事項に関しては企業財務会計報告条例に記載されています。

財務報告書は年度、半期、四半期、月次の報告が求められます。また、報告する内容によって必要となる書類も異なります。

報告される年度、半期財務諸表は二期分の比較データが必要です(企業財務会計報告条例6条、7条、13条)。

 

[貸借対照表]

 貸借対照表(資産負債表)は、企業の財政状態を明らかにするために

一定時点におけるすべての資産、負債、純資産の状況を表示した計算書を指します(企業財務会計報告条例9条)。

様式は日本とほぼ同じですが、更地の土地(土地使用権)は無形固定資産の扱いになる等、一部異なります。

 

[損益計算書]

 損益計算書(利潤表)は企業の経営成績を明らかにするため、

一会計期間におけるすべての収益とこれに対応するすべての費用、ならびに利益・損失を表示した計算書を指します(企業財務会計報告条例10条)。

 日本で売上総利益に該当するものが主要業務収入扱いとなります。

中国の営業外収益・営業外費用は特別利益の一部と特別損失に該当するため、経常利益に該当する項目はありません。

 

[キャッシュ・フロー計算書]

 キャッシュ・フロー計算書(現金流量表)とは、

一会計期間におけるキャッシュ・フローの状況を、一定の活動区分別に表示した計算書を指します(企業財務会計報告条例11条)。

 キャッシュ・フロー計算書は活動区分ごとに分類し、項目別に記載する必要があります。

基本的には直接法による作成が求められていますが

業活動によるキャッシュ・フローについては間接法による注記が必要とされています(旧CASキャッシュ・フロー計算書24条、25条、新CAS第31号8条、16条)。

・ 営業活動:営業活動、税金、その他投資・財務活動以外の取引

・ 投資活動:有形固定資産の購入・建設等、その他投資活動

・ 財務活動:資本の払込、資金の借入・返済等、その他財務活動

 

[付属明細表]

 付属明細表は貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の内容を補完するために作成される計算書を指します(企業財務会計報告条例12条)。

・ 利益処分計算書

・ その他の付属明細表(資産減損損失等)

 

[所有者持分変動表]

 所有者持分変動表は日本でいう株主資本等変動計算書で、

所有者持分の当期の増減の明細です。新CAS第30号準則で以下の項目の記載を要求しています。

・純利益

・所有者持分に直接計上する損益

・配当および利益処分

・各所有者持分項目の増減

 

[財務諸表注記]

 財務諸表注記とは財務諸表の内容の理解を補完するために

重要な会計方針、見積、その他説明を要する事項を記載した説明書を指します(企業財務会計報告条例14条)。

 新CASから財務諸表の構成要素として位置付けられたもので、旧CASの付属明細表を含む説明書となっています。

主に企業の状況(企業の概要等の記載)、財務諸表の注記(作成基本方針、会計方針、見積等)、配当に関する注記が記載されます。

・ 会計処理の基本的前提に合致しないことについての事項

・ 重要な会計方針、会計上の見積、その変更等についての事項

・ その他事項(偶発・後発事象、関連当事者に関する事項、合併・分割等)

 

[財務状況説明書]

 財務状況説明書は会社の経営状況、利益、資金等に関する事項に関して説明を行う説明書を指します(企業財務会計報告条例15条)。

・ 企業の経営状況に関する基本事項

・ 利益の実現、処分に関する事項

・ その他(資金、財務諸表に重要な影響を与える事項等)

Creater : HIROKI HAGIUDA