国家非常事態宣言の再延長と人道支援再開
  
Topic : Economic
Country : Myanmar

米国のドナルド・トランプ大統領は先ごろ、ミャンマーに対する制裁発動の根拠となっている国家非常事態宣言をさらに1年間延長すると発表しました。
この宣言は、2021年2月のミャンマー軍事クーデターを受けて発令されたもので、以降、毎年延長が繰り返されています。今回も3日に再延長が決定されました。

トランプ大統領は声明の中で、ミャンマーおよび同国を取り巻く状況が、依然として米国の国家安全保障と外交政策に対し「異常かつ並外れた脅威」であるとの認識を示しました。その一方で、ミャンマー国内の利害関係者間の対話を促進しつつ、米国の国益を守るために圧力のかけ方を調整する用意があるとも言及しており、硬軟を織り交ぜた姿勢がうかがえます。

さらに注目すべき点として、ミャンマー向けの人道支援に1億2,100万米ドル(約190億円)を充てることも同時に発表されました。
独立系メディアによると、米国でロビー活動を行う「ロサンゼルス・ミャンマー・ムーブメント(LA2M)」は、今回の宣言延長について、米国が軍事政権に対する制裁解除や関係正常化を進める意図はないことを明確に示したものだと評価しています。これは、軍政寄りのロビイストの主張を否定する形とも言えそうです。

また、トランプ大統領はこの人道支援を実行するための法案にも署名しました。この法案は米議会で賛成多数により可決されており、2022年12月にバイデン前政権下で成立した、いわゆる「ビルマ法」に基づいて支出されます。
重要なのは、この支援が軍事政権には一切渡らないという条件が明確に付されている点です。

トランプ大統領は昨年、米国の対外援助を担うUSAID(米国際開発局)経由のミャンマー支援を一度停止していましたが、今回の予算配分によって、その大部分が事実上復活する形となります。

制裁の維持と人道支援の再開――。
相反するようにも見える今回の判断は、「軍政には圧力を、人々には支援を」という米国の基本姿勢を改めて示したものと言えるかもしれません。今後、この政策がミャンマー情勢にどのような影響を与えるのか、引き続き注視が必要です。

Creater : 晃 渡辺