すでに2023年7月4日時点で、国軍こと国家行政評議会SACが、その通達で「重要サービス(Essential Service)」と位置付けていたオンライン販売ですが、7月21日の通達にて、オンライン販売事業の登録の義務が設定されました。
今回、正確には「オンライン販売事業登録証」の申請手続きの義務と、これに登録するための期限が6か月であること、担当の当局は商務局(Department of Trade)であることなどが定められましたが、現在、申請フォームや申請料は未公開です。
登録が完了すれば、登録証は2年間有効で、有効期限の切れる60日前から更新の申請をすることができるとされています。
また、条件として、企業や経済事業体、個人がその登録主体になることができるとされていますが、企業や事業体の場合は代表者が、個人の場合はその個人が、ミャンマー国民でなければならないという制限が発生します。
さらに、国内に事業所を有することが義務付けられ、かつその事務所の使用について、所在地の地区の役所から確認書(Recommendation Letter)を取得する必要があるとされています。
申請者は、オンライン販売される商品またはサービスについて、そのリストを作成し、その情報として保証内容や生産地、政府認可の取得の有無などを提出する必要があり、商務局は消費者保護の観点から、安全性に問題があると考えられるもの、説明情報や保証内容、認可が不足しているものについては、申請が許可されないことがあるとのことです。
消費者保護の観点からは、オンライン販売業者には以下のような義務が課せられます:
・価格が品質に釣り合ったものであること
・説明情報や保証が不十分であれば、返品ができること
・登録証申請時にリストに載せた品目(物品・サービスとも)以外販売しないこと
・支払い方法について十分説明すること
・配達方法について事前に消費者に選択肢を共有し、選ばれた方法で販売すること
・消費者の個人情報を保護すること
以上の規則に従わない場合、ペナルティーは6か月から3年の禁錮刑、およびMMK500,000までの罰金が科せられます。
消費者保護の動きとして見ることもできますが、オンライン販売全体を規制し、検閲による情報の遮断と通貨の移動の制限をかけることができる体制になる懸念もあり、事業者は個人も法人も一定程度活動が制限されることになりそうです。