Myanmar
Economic (Forex management)
:: Question ::
Special Account とはどのようなものですか?
:: Answer ::

外貨の枯渇しがちなミャンマーでは、中央銀行が外貨の動きを把握し、その売買を規制しようとする活動が多く見られます。

一方、国の貨幣全体も時折現金が不足するような脆弱な体制に陥ることがあり、中央銀行は現金保有残高も確認する必要に迫られています。

2021年2月1日のクーデター以降は、国の通貨に対する国民の信用が崩れ、国民がこぞって銀行から現金を引き出して預け入れないという厳しい断絶が生じ、預金残高の現金引き出しに厳しい制限が課せられました。

この点、現金引き出し枠を明示し、これをモニターする役割を担うのがSpecial Accountと呼ばれるミャンマーチャット(MMK)建ての銀行口座です。

通常、当座預金(Current Account)または普通預金(Saving Account)の形で開設され、いずれもMMK建てで、後者の場合は年6%ほどの利息が付きます。預金の引き出しには小切手が必要になりますが、

現金引き出し枠として、自由に現金引き出しのできる権利が付与される(ただし、実際に引き出しを行う際にはその支店に物理的に現金が保有されている必要があり、なければ日を改めるか別の支店に行く必要があります)一方で、その口座には現金による入金、または外貨建ての入金しか許さないという、特別な口座となります。

これは、銀行がその資産運用の過程で、現実に現金として保有する残高以上に名目上の口座残高が計上される性質があるところ、少なくとも現金として確保している金額を明示するために、わざわざ口座を分けさせて管理している、と考えることができます。

また、同じ「現金引き出し枠」として権利が確保されている金額内であれば、これを現金として引き出して入金すれば同じ扱いになることから、便宜上、Special Accountから別のSpecial Accountへの送受金も通常可能となります。

自己の当座預金(Current Account)からの引き出しに金額の制限が課せられるため、現実には、企業がMMKの現金を入手するためには、外貨の預金残高を取り崩してSpecial Accountに入金する必要があり、外貨建て口座から外貨を引き出してMMK現金を買い、Special Accountに入金して更にそこから現金引き出しを行うというフローが定着しつつあります。

MMK口座でありながら、飽くまでもSpecial Account以外のMMK口座からは送金して入金ことができないという点に、注意が必要です。

Creater : Takamasa Kondo