中国、クロスボーダー投融資の外貨管理改革を深化 — 企業の資金調達と投資がより円滑に
  
Topic : Accounting
Country : China

2026年1月、中国国家外貨管理局(SAFE)による「クロスボーダー投融資外貨管理改革の深化に関係する事項に関する通知(匯発43号)」が改めて注目されています。この改革は、中国に進出する企業の資金調達や投資における外貨規制を緩和し、資本の流動性を高めることを目的としています。
 

1. 改革の核心:利便性の向上と貿易支援
今回の改革および関連する通知(2025年12月19日公開)の主な狙いは、以下の通りです。
• 外貨資金決済の円滑化:外国貿易の安定した発展を支援するため、外貨資金の決済プロセスをさらに簡素化する措置が講じられています。
• 投融資の自由度拡大:企業のクロスボーダーでの投融資活動において、従来よりも柔軟な管理指針が示されています。
• 実務への波及:これに伴い、クロスボーダーローンの書替(契約内容の変更や更新)といった具体的な財務実務についても、新たな基準での運用が始まっています。
 

2. 財務・会計担当者が注目すべきポイント
この改革により、現地法人の財務管理において以下の変化が期待されます。
• 資金調達の柔軟化:国外からの借り入れ(クロスボーダーローン)の手続きが円滑化されることで、金利情勢に応じた機動的な資金調達が可能になります。
• 決済コストの削減:外貨決済の円滑化措置により、貿易取引に伴う事務負担や待機時間の短縮が見込まれます。
• 評価実務の適正化:外貨の為替評価などの会計処理においても、最新の規制指針に沿った対応が求められます。
 

3. コンプライアンスと監督管理の強化
規制緩和が進む一方で、監視の目も厳格化されています。
• 反洗銭(AML)対策:中国人民銀行は、金融機構によるマネーロンダリング防止およびテロ資金供与防止の監督管理を具体化させています。
• 透明性の確保:投融資の利便性が向上する反面、企業は国家統一会計制度を徹底し、会計業務の責任を明確にすることが求められています。
 

今後の展望とビジネスへの影響
今回の外貨管理改革の深化は、中国市場における「外資の安定」と「貿易の質的向上」を目指す政府の姿勢を反映したものです。
日系企業の財務担当者にとっては、資金還流の円滑化やグループ内融資の効率化を図る絶好の機会となります。一方で、手続きが簡素化される分、企業自らのコンプライアンス体制(特にAML対応や正確な会計報告)がこれまで以上に厳しく問われることになります。

Creater : Kobayashi Yusuke