概要
2026年1月6日、インド準備銀行(RBI)は Foreign Exchange Management (Guarantees) Regulations, 2026(No. FEMA 8(R)/2026-RB)を出し、従来の2000年規則(Notification No. FEMA 8/2000-RB, 2000年5月3日)を差し替えました。施行日は官報に掲載された日からです。
ここでいう 保証(Guarantee)とは、「主たる債務者(借りた人)が返せなくなったら、保証人が代わりに払う約束」で、親会社保証、SBLC、カウンター保証など も対象に入ります。
さらに2026年1月12日、RBIはA.P. (DIR Series) Circular No.19(RBI/2025-26/192)を出し、AD銀行(外為を扱える認可銀行)向けに報告の考え方、関連通達の整理などをまとめた実務運用を通知しました。
ポイント
1. 原則:インド居住者は「非居住者が絡む保証」に関われない(ただし新ルールに従えばOK)
「関われない」のは、保証の当事者として主たる債務者/保証人/債権者になること全てです。
2. 例外として認められる条件(保証人側・主たる債務者側)
・裏側の取引(借入・契約など)がFEMA上「禁止されていない」こと
・保証人と主債務者が、FEMAのBorrowing and Lending規則(2018)上「貸す/借りる適格」であること(一定の例外あり)
3. 債権者として保証を取る場合の注意
債務者も保証人も非居住者、というケースでインド居住者が債権者になるなら、裏側取引が禁止ではないことを債権者側で確認する義務が明記されています。
4. 四半期報告が必須(発行・条件変更・実行)
・誰が報告するかは「立場」で決まる
保証人がインド居住者 → 保証人が報告
保証人が非居住者で、主債務者が保証を手配 → 主債務者が報告(典型:親会社保証+インド子会社が主債務者)
債務者・保証人がともに非居住者、または債権者が手配 → 債権者が報告
・報告の中身:発行、条件変更(保証額・期間延長・期前クローズ等)、実行(invocation)
・期限:四半期末から15暦日以内にAD銀行へ提出。AD銀行は四半期末から30暦日以内にRBIへ提出。
5. 遅れると罰金
遅延時の罰金は「₹7,500 + 0.025% × A × n」という式で定義されています(固定額に加えて、金額や遅延状況に応じた加算が乗るイメージ)。
6. 1/12のRBI通達で「古い通達群の整理」と「一部レポート廃止」が明記
・新規則を受け、関連するA.P.(DIR) 通達群を原則として上書き
・貿易信用向けの保証の四半期報告は、2026年3月期から廃止
・ECB/貿易信用、輸出入、送金、FEMA報告などの包括指針側も改訂対象
まとめ(今できること)
1. 保証台帳を作って全件棚卸し(親会社保証、SBLC、カウンター保証等を含む)。案件ごとに「誰が報告者か」を確定。
2. 各保証について、裏側取引がFEMAで禁止されていない根拠を、契約・社内メモで説明できる形にする。
3. 四半期末+15日(AD銀行宛)を社内締切に落とし込み、遅延=LSF発生を前提に運用設計。
4. Trade Credit関連は「保証の四半期報告」が2026年3月期から外れるため、チェックリストを更新。
本日は以上になります。
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