【法務】RBI:FEMA「Borrowing and Lending」改正でECB枠組みを刷新
  
Topic : Legal
Country : India

概要

RBIは、Notification No. FEMA 3(R)(5)/2026-RB(2026年2月9日付)により、FEMA上の Borrowing and Lending Regulations, 2018 を改正し、2026年2月16日の官報掲載日から即日施行しました。今回の改正は単なる条件修正ではなく、①Regulation 2の全面置換、②Regulation 3Aの新設、③Schedule I(ECBフレームワーク)の全面差替え、④報告義務・コンプライアンスの強化という、制度の骨格部分がまとめて入れ替えられています。なお、施行前に LRN(Loan Registration Number) を取得済みのECBは原則として旧規則に従いますが、報告義務だけは新規則に従うとされています。

ポイント

①Schedule Iの全面差替え

さらに、ECBの中心ルールである Schedule I が全面的に差し替えられました。ここで、適格借入者、認定貸手、借入上限、平均償還期間、通貨、借入コストといったECBの基本設計が再構成されています。今回の改正は、適格借入者・認定貸手の拡大、借入限度や平均償還期間の合理化、借入コスト制限の見直しを含む枠組みの刷新です。つまり、Schedule Iの差替えは「一部条件の更新」ではなく、ECBフレームワークの設計図を描き直した改正と見るべきです。

②Regulation 2の全面置換

今回の改正では Regulation 2自体が全文置換されています。ここでは、ベンチマークトレード に代替参照金利を取り込んだほか、control、cost of borrowing、Designated AD Bank、Indian Entity、related party など、ECB運用で実務上重要な用語が細かく定義し直されました。単に「借入条件を少し変えた」のではなく、ECB規制を読む前提となる定義体系そのものを組み替えたと言えます。

③Regulation 3Aの新設

次に、Regulation 3Aが新設され、借入資金の禁止用途が独立条文として明文化されました。禁止対象には、chit funds、Nidhi Company、不動産事業・農家住宅建設(一部例外あり)、農業・畜産(一部例外あり)、指定作物以外のプランテーション、TDR取引、一定の証券取引、NPA関連借入の借換え、禁止用途へのオンレンディングなどが含まれます。これは実務上かなり大きく、従来よりも「借りられるか」より「借りた金を何に使うか」の管理が重くなった、という理解が正しいです。

④報告義務の強化

最後に、運用面では報告義務が明確かつ厳格になりました。借入者は、Form ECB 1、Revised Form ECB 1、Form ECB 2 を、原則として事象が生じた月の月末から7暦日以内に提出する必要があります。加えて、late submission fee、未報告案件の扱い、4四半期連続で報告が欠けた場合の untraceable borrower 分類、さらにAD銀行からRBIおよび Directorate of Enforcement への報告という流れも示されています。要するに、今回の改正では「借りた後の毎月の管理」が、以前よりはるかに重要になっています。

まとめ

今回の改正は、「ECBを柔軟に利用しやすくする側面」と「資金使途や報告義務を厳格に管理する側面」の両面を併せ持ちます。

日系企業の実務対応としては、(1) 自社のECBがLRN取得済みか棚卸しし、報告は新ルール前提に統一、(2) 借入資金の支払・投資・グループ内資金移動が Reg.3Aの禁止用途に触れないよう稟議・契約・会計処理を整備、(3) ECB1/改訂ECB1/ECB2の提出期限(7日)を財務カレンダーに埋め込む、の3点を優先するのが安全です。

本日は以上になります。
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Creater : 圭良 亀