マレーシアへの渡航において、日本国籍保持者が観光目的で短期滞在する場合は、無査証での入国が可能です。しかし、就労目的での渡航には特定のビザが必要となります。本記事では、無査証滞在と就労ビザの詳細を解説します。
1.無査証滞在の条件
日本国籍保持者は、以下の条件を満たすことでマレーシアへの無査証入国が可能です。
・観光目的: 観光や短期の商用訪問(商談、会議、視察など)であること。
・滞在期間: 90日以内。
・パスポートの有効性: 入国時にパスポートの有効期限が6ヶ月以上残っていること
2.就労目的の入国手続き
就労や短期の機械設置、研修などを目的とする場合、以下の手順を踏む必要があります。
1.現地受け入れ会社を通じた許可取得: マレーシア入国管理局で就労許可を取得。
2.入国ビザの取得: 日本国内またはシンガポールなどにあるマレーシア大使館でビザを申請。
3.入国後の手続き: マレーシア到着後、入国管理局でパス発給手続きを行う
3.就労ビザの種類と申請先
マレーシアで働くためには、以下の就労ビザが必要です。
・Employment Pass: 長期滞在・就労用。
・Professional Visit Pass: 短期就労用(1年以内)。
・Work Permit: 外国人労働者用。
申請先は業種によって異なります。
・製造業や国際調達センターなどはマレーシア投資開発庁(MIDA)。
・MSCステータス取得企業はマレーシア・デジタル・エコノミー公社(MDEC)。
・その他非製造業は入国管理局(ESD)
4.就労ビザのカテゴリーと取得条件
最低資本金要件
マレーシアにおける就労ビザ/許可証取得要件は下記の3つがあります。
・100%マレーシア資本:250,000RM
・マレーシア資本合弁:350,000RM
・100%外国資本:500,000RM
*実務上は、必要な事業ライセンスの最低資本要件も満たすように資本金額を設定する必要があります。
就労許可証カテゴリー
就労ビザは3つのカテゴリーに分かれています:

カテゴリー③の申請には、内務省からの特別認可が必要です。
赴任予定者に係る要件
赴任予定者に係る要件は下記の通りです。
・大卒以上:3年以上関連分野職務経験
・短大卒以上:5年以上関連分野職務経験
・職業訓練校卒:7年以上関連分野職務経験
マレーシアの就労許可証を発給するにふさわしい能力を有する人材であることが条件としてあげられているため、履歴書・学歴証明証により、上記要件が判断されます。
就労枠の種類
1.永久ポスト(Key Post)
2.期限付きポスト(Time Post)
・3~5年の期限付き
・入国管理局への申請により10年まで延長可能
5.就労ビザ取得プロセス
マレーシアの就労ビザ/許可証の取得は下記4つのステップから成ります。
①プロジェクション取得申請-承認
-所要期間:1-4ヶ月
-備考:
就労ビザ/許可証を取得するための枠を指します。就労ビザ取得の申請を行う前に、企業として就労ビザ取得の申請を行うための枠を初めに確保します。なお、就労許可証はプロジェクションの承認に続く形で申請を行います。なお、申請はESDアカウントから行い、下記資料の提出が必要となります。
[プロジェクション取得申請に係る必要資料]
・職務定義書
・当該ポストに係る外国人就労の推薦書
・その他ESDによる審査に合わせて要求される追加資料
②就労許可証取得申請-承認レター発行
-所要期間:1-2ヶ月
-備考:
プロジェクション取得承認後に、ESDアカウント上で申請を行います。なお、申請時は下記資料の提出が必要となります。提出後問題ない場合にはESDより承認レターが発行されます。
[就労許可証取得申請に係る必要資料]
・赴任予定者のパスポートカラーコピー(表裏を含む全頁)
・赴任予定者の証明写真(背景青)
・マレーシア企業・赴任予定者間の雇用契約書
・赴任予定者の履歴書
・赴任予定者の最終学歴証明書
③就労ビザ発行申請-承認
-所要期間:1週間
-備考:
ESDから発行された承認レターをもとにマレーシア大使館にて就労ビザを申請-取得します。なお、申請を行うマレーシア大使館は国籍によって制限されていないため、就労許可証取得申請時に申請を行う国を指定することが可能です。なお、申請時は下記資料の提出が必要となります。
[就労ビザ発行申請に係る必要資料]
・赴任予定者のパスポート原本
・就労ビザ申請フォーム(大使館発給)
・DP11(ESD発給:赴任予定者の審査用フォーム)
・VDRレター(ESD発給:承認レター)
④就労許可証発行申請-発行
-所要期間:1週間
-備考:
就労ビザにてマレーシアへ入国後、ESD当局にて就労許可証の発行を申請し、パスポートへ就労許可証が貼付されます。なお、申請時は下記資料の提出が必要となります。
[就労許可証発行申請に係る必要資料]
・パスポート原本
・就労許可証発行申請書(企業が作成)
※上記所用期間は、各赴任予定者が申請要件を満たしているか否か等、によって大きく変動します。
まとめ
マレーシアへの渡航には、目的に応じて適切な手続きが必要です。観光目的の短期滞在であれば無査証入国が可能ですが、就労目的の場合は複雑な手続きが必要となります。正確な情報と適切な準備で、スムーズなマレーシア渡航を実現しましょう。
Citations:
[1] https://www.tokutenryoko.com/service/visa/56
[2] https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/shoumei.html
[3] https://www.tokutenryoko.com/news/passage/11229
[4] https://www.tourismmalaysia.or.jp/basicinfo/03_inoutinfo.html
[5] https://www.jetro.go.jp/world/asia/my/invest_05.html
[6] http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbimmigration_017.html
[7] https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_05122023.html
[8] https://www.kln.gov.my/documents/33866/9727952/1++VISA+APPLICATION+(Japanese)+(Updated+on+10+JAN+2024).pdf/9d0877b3-4e51-4b5b-8a15-cc17c712de9e