記帳自体を行うスタッフが資格を取得している必要はありませんが、すべての外国企業は、チーフ・アカウンタントと呼ばれるベトナムにおける資格を保持する人を置かなければなりません。
下記概要となります。
[チーフ・アカウンタントの業務]
チーフ・アカウンタントは、企業の会計に関する責任を負い、企業の会計部門のマネジメントを行います。たとえば、支払に際して承認業務、会計部門のスタッフのトレーニング、決算書類の作成・管理監修を行います。 また、会計帳簿、決算書、小切手、銀行口座の開設などの必要書類にはチーフ・アカウンタントの署名が必要になります。
[チーフ・アカウンタントが必要なタイミング]
会計期間の2年目の決算時までに任命する必要があります。また、自社が零細企業に該当しない場合、チーフ・アカウンタントの任命が必要になります。 企業の設立1年目に限っては、チーフ・アカウンタントを任命する代わりに、会計業務担当を指名することができます。新規設立をされる企業は、従前、銀行口座開設時にチーフ・アカウンタントもしくは会計業務担当の署名登録が必要とされていました。
しかし、現在、登録義務はなくなっています。とはいえ、実務上、申請書類にチーフ・アカウンタントや会計業務担当の情報を記載する欄があり、署名を要求されることがあります。署名を求められた場合には、現行の法律番号(23/2014/TT-NHNNや02/2019/TT-NHNN)を示し、銀行窓口に随時、担当者の記入の必要性について確認が必要です。
[チーフ・アカウンタントの資格取得]
チーフ・アカウンタントになるためには、最低2年以上の会計の実務経験を持ち、大学や専門学校などの専門機関のトレーニングを受け、資格試験に合格している必要があります。ただし、合格ラインも50%以上なので、経理経験がある方であれば比較的簡単に取れる資格ではあります。数年経理をやっているスタッフが社内にいればこれを取ってもらうということも検討できます。
外国人は、ベトナム国内での経理経験が1年以上あることに加え、ベトナム政府により会計専門家として認められれば取得は可能ですが、言語の面等で短期での取得は難しいといえます。
[チーフ・アカウンタントの外部委託]
ベトナムにおける日本企業もチーフ・アカウンタントを任命する必要がありますが、外国企業の増加に伴って採用が難しくなっています。特に5~6年以上の実務経験を持つ人材が不足しています。 このチーフ・アカウンタントは直接雇用するだけではなく、会計事務所に所属する担当に合法的に名義貸しサービスを受けて、チーフ・アカウンタントを委託することもできます。 上記のことから、初めからコストをかけて経験豊富なチーフ・アカウンタントを採用するのではなく、経験がない経理スタッフを一から教育し、会計関連の管理職を育て、チーフ・アカウンタント業務に関しては、会計事務所に委託するといったケースがあります。
実務上、ある程度の規模の企業では、チーフ・アカウンタントを採用しているケースも多く見受けますが、規模の小さい企業の中にはチーフ・アカウンタントを外部委託しているケースが一般的です。
[その他補足]
下記の条件に該当しない場合、会計を担当するチーフアカウンタントが経理を担当する必要がありますが、下記に該当する中小、零細企業は、チーフアカウンタントを配置する代わりに、会計を担当するように配置することも認められていると解釈できます。
中小企業の特定基準
1.農業、林業、水産養殖の分野における零細企業。社会保険に加入する従業員の平均年間人数が10人を超えない、年間の総収入が30億ドンを超えない、または年間の総資本が30億ドンを超えない産業および建設業。
社会保険に加入する従業員の平均年間人数が10人を超えない、年間の総収入が100億ドンを超えない、または年間の総資本が30億ドンを超えない、商取引およびサービスの分野の零細企業。
参照条文:
・LAW ON ACCOUNTING No. 88/2015/QH13 dated November 20, 2015
Article 51. / Article 54.
・Decree 174/2016/ND-CP dated 30/12/2016
Article 21.
・Decree 80/2021/ND-CP dated 26/08/2021, force 15/10/2021
Article 5.