投資ファンド会社の新しい設立形態~VCCとは101?~
  
Topic : Establishment
Country : Singapore

金融のハブとして知られ、多くの金融機関や投資ファンドなどが進出するシンガポールですが、2020年から新しくVCC(Variable Capital Companies)から設立形態が生まれました。今回はVCCとそのメリットについて簡単に1解説していきます。

 

1.VCCとは

投資ファンド、資産管理会社やその他の金融機関などを対象に、より柔軟性や効率性をもたらすべく、証券法の改正により2020年より導入された新しい設立形態です。2020年にACRA(登記局)とMASが共同でフレームワークを発表し、その期限は2年間とされておりましたが、2023年1月にさらなる延長が発表され、2025年1月まで有効となりました。

VCCとして法人を設立登記するには、MAS(金融庁)からのライセンスの取得が必要となり、通常弁護士等の法務アドバイザーの支援の下、申請を行う必要があります。ライセンス取得は簡単ではありませんが、取得に成功しVCCのステータスを手に入れることができれば、様々なメリットを享受することができます。

 

2.柔軟性

以下にて、VCCの取得により得られる柔軟性のメリットについていくつか代表的な例をご紹介します。

 

・ポートフォリオの多様化

VCCには、投資対象に特に制限はなく、株式や債券、VCやPEなど投資対象を多様に持つことができます。

・可変資本

投資家は、資産への投資額の増減を自由に行うことができるため、従来よりも効率よく資本の運用を行うことを可能にします。

・複数ファンドの保持

従来の投資ファンドでは、ファンド毎に形式的に別の法人を設立する必要がありましたが、VCC下では複数ファンドの保持が可能となり、よい効率性を持った運用が可能となりました。

 

3.インセンティブ、税務メリット

VCCとして法人を設立することができれば、インセンティブや税務メリットを享受することができます。

・SGD30,000までの経費の共同資金の提供

条件にあてはまれば、法務、税務、その他事務経費について、SGD30,000を上限に、政府より共同資金の提供を受けることができます。

・税制の優遇

GSTの免除や、運用方法により軽減税率の適用、もしくは免税を受けることができます。(運用方法により異なり)

 

以上、VCCについて簡単に解説して参りました。シンガポールに拠点を構え、国際的に投資運用を行うには非常に適した設立形態ですが、まだ公式に公開されていない情報も多く、不明な点があればMASや法律の専門家に随時相談することが好ましいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

Creater : Isamu Tanaka