今回は、シンガポールでの設立に関して、よくある質問をいくつかまとめました。
Q1. マネジングダイレクター(MD)という役職はシンガポールでは必ず任命が必要ですか
マネジメントダイレクター(MD)や代表取締役、CEOは会社法の定める役職ではなく、選任は必須ではありません。但し、会社が任意で選任しACRAへ届け出ることはできます。
Q2. 外国人がシンガポールで個人事業主になることはできますか?
個人事業主の登記は必ずしもシンガポール人でなければならないと はされていません。
永住権(Permanent Residence:PR)を取得している外国人、またシンガポール企業の発行したEPで働く外国人も、人的資源省(Ministry of Manpower:MOM)より許可を取ることができれば、個人事業主として登記することができます。
Q3 法人口座は地場の銀行でなく、日系の銀行で開設することはできますか?
多くの会社が地場の銀行での口座開設を行う一方、 日系のメガバンクなどで開設することも勿論可能です。日系のメガバンクで銀行口座の開設を行う場合、基本的には日本での取引の有無やコネクションが開設の可否につながります。また、多くの日系地方銀行もシンガポール進出支援やビジネスマッチングなどのサポートを多く行っていますが、法人口座の開設は基本的にはメガバンク(三井住友ファイナンシャルグループ、三菱UFJファイナンシャルグループ、みずほファイナンシャルグループ)のみで対応可能となります。日本語での対応や、きめ細かいフォローなど日系ならではのメリットが多く、日本で付き合いがある場合は、検討する価値があるといえるでしょう。
Q4 資本金SGD1から設立可能ですが、実際の運用を考えるとどのくらいの資本投入が必要になりますか?
ビジネスモデルや事業計画により異なりますが、一般的にはSGD10,000が一つの指標とされています。これは、設立完了後、いざ就労ビザを申請し駐在員を派遣しようとする際に、会社の給与の支払い能力(Solvency)が一つの審査基準となるとされているためです。この閾値に満たない資本金で登記を行った場合も、就労ビザ申請前に増資を行っておくことが望まれます。
Q5 資金の調達は増資、親子ローンのどちらが適していますか?
いずれの調達方法もメリット・デメリットがあるため、それぞれ考慮した上で検討するべきでしょう。
増資は、手続きが非常に簡易的で、意思決定を直ぐに反映させることができる一方で、配当金の原資が利益に限定されるため、親会社が早期の投資リターンを求める場合は向かない方法です。また、減資を行う際は、債権者の保護の観点などからその手続きは非常に煩雑になっています。一度増資を行う際は留意しておく必要があります。一方親子ローンの場合は、調達及び返済手続き自体は非常に簡潔である一方で、利息の取り決めを行い、返済が行われない場合は、親子間であっても利息の計上を行う必要があります。利息が累積すると、シンガポール法人の返済負担が大きくなってしまうので、返済計画を入念に立てた上で融資を行うべきでしょう。
また、銀行から融資を受けるという手段もありますが、設立したての法人は一般的に信用力が無く、多くの場合は親会社が保証人となり、返済を担保することによって借入れを行います。
今回は以上となります。法人設立に関するご相談もお待ちしております。