タイで会社を運営するうえで、毎年の決算報告や税務申告を行う際には、書類に「CPDライセンス」という専門資格を持った人の署名が必要となる場面があります。
この「CPDライセンス」とは、タイ会計士協会(FAP)に登録された資格者であることを証明するもので、企業の会計責任者に求められる資格です。
CPDライセンスを取得するには、タイ国内の大学や短大で会計学を専攻して卒業し、FAPに登録することが前提となります。試験などはなく、条件を満たしていれば申請により取得が可能です。ただし、ライセンスを維持するためには、3年間で120時間以上の「継続的専門能力開発(CPD)」として、会計士協会が認定するセミナーなどを受講しなければなりません。
一方、社内にこのライセンスを持つ人がいない企業ではどうしているのでしょうか?
実際、多くの企業では、外部の会計事務所に記帳代行を委託し、その事務所に所属するCPDライセンス保有者の名前で申告を行うのが一般的です。
外国語に対応できる資格者が少ないという課題もあり、今後は企業内での人材育成やライセンス取得支援がさらに重要になると見られます。
タイで事業を展開する企業にとっては、制度を正しく理解し、適切な人材を確保することが、スムーズな経理業務と法令順守のカギとなります。
以上、今週も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。