バングラデシュ銀行は2025年2月19日付で、外国企業のバングラデシュ現地子会社が親会社やグループ会社に対してサービスの対価として送金を行う際の新たなガイドラインを発行しました(FE Circular No.12)。
本制度は、サービスが現地で代替不可能な場合に限り、一定の条件下で送金が認められるもので、関連当事者間取引の透明性確保を目的としています。
【① 対象取引】
バングラデシュ現地子会社が、外国の親会社・グループ会社またはその関連会社から受けるサービスに対する対価の送金
【② 適用条件】
以下3つの条件をすべて満たす必要があります:
- サービスがバングラデシュ国内で入手困難であること
- 親会社等が現地子会社の株式の50%以上を保有していること
- 総送金額(源泉税控除前)が会計年度の純利益の10%以内であること
【③ AD銀行(Authorized Dealers)の確認義務】
送金に先立ち、指定のAD銀行は以下を確認し、必要書類を取得する必要があります:
- サービス契約書、請求書などの原本
- サービス価格の競争力の検証
- 源泉税やVAT等の税務義務の履行状況(移転価格を含む)
- 監査人による利益見積もり証明
- 利益未達時の翌年調整に関する子会社からの誓約書
【④ 超過送金(10%超)を希望する場合】
以下の書類を添付のうえ、バングラデシュ銀行へ申請が必要です:
- 契約書またはMoUの草案
- サービス価格が競争的であることを示す資料
- 国内での代替困難性に関する証明
- 税務証明(源泉税・VAT計算根拠含む)
【⑤ 送金ルートと報告義務】
送金は指定のAD銀行支店を通じて実施
- AD銀行は取引内容をバングラデシュ銀行のオンラインモジュールへ報告し、月次報告も実施
- AD支店の変更には、申請者からの書面依頼に基づきファイルを移管する必要あり
注意事項:
- 本制度は、別途管轄当局の承認が必要な送金には適用されません
- 親会社との他の取引において、一般的または個別の承認がすでに与えられている場合には、本制度との併用は不可となります
本制度は、現地子会社と親会社の間のサービス対価送金において、税務・価格・利益との整合性を求める内容となっており、送金額の上限や適正性の証明が厳格に求められます。
今一度、グループ内サービス契約の内容および送金実務をご確認いただき、必要に応じて書類の整備や体制の見直しを進めていただくことを推奨します。
参考文書
・バングラデシュ銀行 FE Circular No.12(2025年2月19日付)
・Guidelines for Foreign Exchange Transactions - 2018(GFET, Vol-1)
今回は「外資企業における親会社への国外送金に関する新規制について」について解説しました。
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※本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。