バングラデシュの現地法人で利益が出た場合、株主へ配当を分配することが可能です。ここでは、配当金の送金プロセスや必要書類を紹介します。
バングラデシュで配当金を送金する際に考慮しなければならないこととして前払い法人税があります。バングラデシュでは配当金を送金する際に前払い法人税(AIT: Advance Income Tax)が徴収されます。AITは受取人(株主)に対する源泉税で、仮に受取人が日本の場合には日バ租税条約が適用されて減税されます。減税手続きについても一緒に紹介します。
【配当金送金の要件】
配当金の分配要件は大きく2つあります。
- 監査人が配当金送金を承認している事。
- 累積欠損金がプラスになっている事。
【配当金送金のまでのスケジュール】
最終的に配当金は銀行を通じて送金されますが、銀行への配当金送金依頼を申請するまでに以下のプロセスを完了している必要があります。
- 当該事業年度の監査報告書を作成。
- 配当送金に関する取締役会の開催。
- 監査報告書を承認するための株主総会の開催。
- 確定申告の完了。
- 商業登記所への年次申告の完了。
- (租税条約の減税措置を適用する場合) DTAA Certificateの取得。
※DTAA CertificateはDouble Taxation Avoidance Agreementの略で租税条約を適用するための証明書を指します。
※c及びdは同時進行で手続きを行うことができるため順不同です。
通常、事業年度から税務申告を完了するまでに最低でも6か月程の時間を要するため、配当金の送金までに最低でも8か月程の時間がかかることが多いです。また、DTAA Certificateの取得に3カ月程時間がかかるため減税で配当金を送金する場合には事業年度から1年後になることが想定されます。
【配当金送金申請の必要書類】
配当金の送金依頼は銀行に対して申請します。その際に主に以下の書類を提出する必要があります。
・登記書類
・監査報告書
・配当金の送金を承認した旨の株主総会の議事録
・税務申告完了証明書
・商業登記所への年次申告完了証明書
・監査人から発行された未払税金がない旨の証明書
・銀行への送金依頼書
・DTAA Certificate (該当する場合)など
【配当金にかかる前払い法人税】
通常、配当金を送金する場合には前払い法人税が徴収されます。例えば、配当金を100送金する場合に20%の税率が適用されると株主が着金できる金額は80になります。(100-100*20%=80)
前払い法人税率は以下の通りです。
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株主
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前払い法人税率
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居住者(バングラデシュ企業) Tax act sec 90
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10%
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非居住者(外国企業) Tax act sec 119
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20%
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非居住者だが租税条約が適用される国の居住者
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10%
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※ここでは株主が法人であることを前提としています。
【DTAA Certificateの必要書類】
DTAA Certificateはバングラデシュ税務署 (NBR: National Board of revenue) より発行されます。NBRへの提出書類は主に以下の通りです。
・登記書類
・監査報告書
・配当金の送金を承認した旨の株主総会の議事録
・税務申告完了証明書
・商業登記所への年次申告完了証明書(前年度のもの)
・株主の居住者証明書 (DTAAに該当する場合) など
※居住者証明書は各国の税務当局より取得する必要があります。
配当金を送金する予定がある場合には、前払い法人税や租税条約を考慮した上で所要時間や送金スケジュールを事前に確認することをおすすめします
以上