ミャンマーの税務上の会計期間は4月1日から3月31日で、会計年度末から3か月以内に法人所得税 個人所得税、商業税、固定資産譲渡益税などの年次申告をする必要があります。
今回は、このうち最も計算が複雑で時間がかかりがちな、法人所得税のルールをおさらいしておきましょう。
納税スケジュール
まず、ミャンマーの法人所得税は所得税法(Income Tax Law)に基づき、前納が原則で、四半期ごとにその四半期末から10日以内に納税を行う必要があります。
最後の納税の後、申告時にさらに納付が必要な金額が算出されれば、追加で申告時納税(Due on Return)をすることができます。
法人所得税の税率
税率は従前25%でしたが、コロナ後の2021-2022年度から22%とされて今に至ります。
繰越欠損金の扱い
繰越欠損金は3年度分繰越が可能とされており、実務上は当局指定のタックス・フォームに記載される金額(3か年分しかない)が相殺可能金額となります。
法人所得税申告時の計算
税引き前当期純利益に税法上の償却率以上の減価償却費や当局が認めない種類の交際費など、損金不算入金額を足し戻す形で課税所得を算出し、上述の繰越欠損金があればこれを相殺します。
最終的な課税所得金額に税率を掛け合わせ、上記の四半期ごとの前納金額や他社による源泉徴収税の納付があればこれを差し引き、更に前期から残る過払い金額があればこれを差し引いて、更に納税すべき金額があれば追加納税(Due on Return)、反対に残る金額があればそれは過払い金額(Overpaid)として翌年度に持ち越されます。
違反について
次に、この法人所得税のコンプライアンスを守れなかったときのリスクについて説明します。
主なコンプライアンス違反は租税管理法(Tax Administration Law)によって以下のように分類され、罰則等が定められています。
1.納税者登録不履行
納税者登録や納税者情報変更通知の遅延・不履行によって納税や申告が期限内に行われなかった場合、納税すべき金額の10%が罰金として科されます。
2.書類の偽造
納税者情報、請求書・受領証、クレジットノート・デビットノート等を偽造した場合、MMK250,000までの罰金が科されます。
3.申告遅延
期限内に税務申告が完了させられなかった場合、MMK100,000の罰金と合わせて、納税すべき金額の5%、およびその後1か月過ぎるごとに追加で1%の罰金が科されます。
なお、申告時に書類が不十分であれば、税務当局から数日以内に追加書類を提出するようメールで連絡がありますが、こちらの対応が遅れても同様に遅延と見なされます。
4.過少納税
不作為または偽って納税額を少なくしていた場合、過少納税額の25%または75%(過少納税額がMMK100,000,000または納税額全体の50%を超えた場合は後者)の罰金が科されます。
5.虚偽または誤魔化した申告
租税担当官を虚偽または誤魔化した申告で誤認識させた場合、MMK150,000の罰金および、未払と判明した金額または還付対象と誤認された金額の100%が罰金として科されます。
特に申告の遅延と過少納税については、納税作業の遅延によっても生じやすいため、スケジュール管理を行いながら、確実にコンプライアンスを順守するようにする必要があるでしょう。