1.キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、固定資産を売却/譲渡する際、簿価よりも高く売却できた場合に認識される売却/譲渡益を指します。
ミャンマーにおいて、固定資産とは仕様年限が1年を超える資産を指し、会計上は細分化できる最小単位での帳簿上の管理と減価償却が求められます。
減価償却は、会計上は会社の任意で定められますが、税法上は当局の分類に従って一定の原価率までしか償却することが許されず、それを超える金額は損金不算入となります。
企業は固定資産の台帳を作成し、税法上の償却率を理解しながら、個々の固定資産に対する償却率のポリシーを以って運用することが求められます。
2.税法上の義務
キャピタルゲイン税は所得税法(Income Tax Law)で税目として定められ、連邦税法(Union Tax Law)で年度ごとの税率詳細が定められる形で運用されています。
現状、キャピタルゲイン税のコンプライアンスは以下の3点です:
・譲渡益があればキャピタルゲイン税を納税すること
・取引ごとの申告(Transactions Capital Gain Tax Return)を行うこと
・年間の連結申告(Consolidated Capital Gain Tax Return)を行うこと
以上のコンプライアンスについては、連邦税法で「年間に売却される固定資産の売却価格がMMK10,000,000を下回る場合には対象にはならない」と記載されていますが、実務上、こちらの閾値はキャピタルゲイン税の納税についてのみ適用され、取引ごとの申告および年間の連結申告については金額にかかわらず対応が求めらることが一般的です。
また、年度途中まで上記の閾値に達するかわからず、納税してこなかった場合でも、MMK10,000,000に達した時点で、同年度中の固定資産の売却は過去の譲渡益も全てキャピタルゲイン税の対象となり、納税の義務が発生します。
納税と取引ごとの申告については、各取引から30日以内の対応が必要であり、いずれも内国歳入局IRDのポータルサイトから実施できます。
年間の連結申告については、対象の年度末から3か月以内とされており、法人所得税の申告と同じ申告期限が設定されています。
3.キャピタルゲイン税の税率とペナルティー
キャピタルゲイン税の税率は、石油・天然ガスに関するものを除き、10%と定められています(石油・天然ガスについては金額により40%~50%)。
ペナルティーについては以下の2種類が規定されています:
・納税の遅延(Late Payment)
・申告の遅延(Late Filing)
納税の遅延については、納税金額の10%とされています。
申告の遅延については、納税金額を基準に、5%+(遅延月数×1%)またはMMK100,000のいずれか大きい方とされています。
固定資産を普段から管理しておくことに加え、コンプライアンスを理解したうえで、遅延しないよう気を付けて対応することが必要になります。