インドネシア国家食糧庁および政府関係省庁は、2026年の商品収支(Neraca Komoditas:NK)において、主要食品の国内自給を最優先する方針を固めました。これに伴い、特定の戦略的品目における輸入計画が事実上の「ゼロ」と設定され、ビジネス環境への影響が確実視されています。
具体的には、食用米、食用砂糖、および飼料用トウモロコシについて、2026年のNK(輸入枠)を設定しないことが確定しました。さらに特筆すべき点として、当初検討されていた産業用米(原料米)の輸入枠についても見送られ、国内調達へ一本化する方針が示されています。
この決定は実務に重大な制約をもたらします。現行制度上、輸入承認(PI)はNKの枠に基づいて発行されるため、NKがゼロである以上、輸入を行うための制度的根拠が存在しません。したがって、輸入ライセンス(API)を保有している企業であっても、通常の商用ルートでの通関手続きを進めることは極めて困難となる見込みです。
一方で、政府の大枠の方針は固まりましたが、実務運用には依然として注視すべき点が残ります。過去の事例を振り返れば、気候変動による不作リスクや、産業界からの「国内調達不可な特定スペック」への強い要請により、年度途中でNKが改定されるケースも散見されました。
企業担当者様におかれましては、「原則輸入不可」という厳しいシナリオを前提としつつも、今後公表されるPI運用の具体的細則や例外要件の動向、さらには需給逼迫時の緊急措置の可能性について、引き続き冷静な情報の精査が求められます。