増資とは、会社の設立後に資本を増加させるために新株を発行する会社の行為をいいます。
資金調達の手段として、一番よく使われる手法です。
新株を発行する場合には、既存株主と新たに株主になる者との利害調整が必要です。
このため、インドネシア会社法では、既存の株主に対して優先的に新株予約権を付与することで、一定の既存株主保護を図っています。
また増資の場合、出資比率が従前のものと変更になる可能性もありますので、特に製造、販社以外の外資100%が認められない業態については注意が必要です。
なお、どちらの場合も定款および法務人権省の手続は必要となります(同条3項)。
前述のとおり、既存株主保護のため、会社が増資に際して新株を発行する場合には、株式の保有割合に応じて割り当てる旨を申し出なければなりません(43条1項)。
これに対し、14日以内に既存株主が株式引受権を行使して対価を払い込まなかったときに初めて、会社は当該株式の引受を株主以外の第三者に提供することができます。
まず、増資は以下4つのプロセスに沿って進めていくこととなります。
①株主総会における決議によって増資が決定
※決議要件は増資の額により異なります(42条)。
※すなわち、授権資本枠内の増資をする場合には、過半数の定足数および議決で足りる一方、授権資本枠を超える場合には、3分の2以上の株式を保有する株主の出席および議決が必要です(同条1項・2項)。
②投資調整庁(BKPM)の認可を取得します。(同条3項)。
③会社定款に 増資を記載し、公証人からの認証を受ける
④法務省の認可取得または報告
(授権資本増資の場合は認可。既存の授権資本の範囲内の 増資であれば報告)という流れになります。
増資の手続き手順については迅速に処理をしなければなりません。
株主総会日から 1 カ月以内に BKPM 認可を取得し、会社定款の変更も終了しなければなりません。
また、増資が実行(払い込み)された資本金払込証明書を添えて 1 カ月以内に法務省に報告しなければならないことから、増資が実行されるタイミングも決定しておくことが求められます。
一点、ご留意いただくべき内容として下記がございます。
インドネシアにおいて資本金を外貨で送金していた場合、「増資の際には設立時の為替レートを使用しなくてはならない」という規制がございます。
仮に、設立の際は1JPY=130IDRだったものが円安となり、1JPY=150IDRになったとします。
この時の増資を円建てで行うとしたら、1JPY=130IDRのレートを使用しなければならない、ということです。
ルピアは現在のコロナ状況下において大幅な為替変動があったように、為替変動リスクが高く多少の費用を要したとしても設立初期にはルピアを用意するのが賢明だと言えそうです。
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