フィリピンの拡大源泉徴収税(EWT)
  
Topic : Accounting
Country : Philippines

フィリピンの税制において、拡大源泉徴収税(Expanded Withholding Tax, EWT)は非常に重要な役割を果たしています。この記事では、EWTの基本的な仕組みや適用される取引、税率について詳しく解説します。これからフィリピンでビジネスを展開しようと考えている方や、現地での取引に関心のある方にとって参考にしていただければと思います。

1.拡大源泉徴収税(EWT)とは?

フィリピンには以下の源泉徴収税が存在します。

  • 給与源泉税:Withholding Tax on Compensation (WTC)
  • 拡大源泉税:Expanded Withholding Tax (EWT)
  • 最終源泉税:Final Withholding Tax (FWT)
  • 最終付加価値税:Final Withholding Velue Added Tax  (FVAT)
  • フリンジベネフィット税:Fringe Benefits Tax (FBT)

今回はそのなかでも拡大源泉税(EWT)について解説します。これは特定の取引に対して適用され、取引額から一定割合を差し引いて納税する仕組みです。この制度は取引の透明性を高め、脱税を防ぐ目的で導入されています。

2.EWTが適用される取引とその税率

EWTは特定の商業活動やサービスに対して課せられます。以下は主な対象となる取引とその税率です。

  • 賃貸契約:オフィスやコンドミニアム、社用車などの賃貸契約へ5%。
  • プロフェッショナルサービス:コンサルティングなどの専門的なサービスへ5%〜15%。(個人で総収入300万ペソ以上は10%、それ以下は5%。ただし5%は専門家の公証が必要。非個人で総収入72万ペソ以上は15%、それ以下は10%。ただし5%は専門家の公証が必要。)
  • 下請けサービス:建設業や製造業などで提供される下請けサービスへ2%。
  • 納税トップ2万社または大規模納税者、中規模納税者:国内業者や物品支払いへ1%、サービス対価支払いへ2%。

3.EWTの手続きと注意点

 売主側では、買主から発行されるBIR form 2307という源泉徴収票を受け取ることで、法人所得税申告時に控除を受けることができます。したがって、この証書を確実に受け取ることが重要です。

一方、買主側には源泉徴収義務があります。この義務を怠った場合、罰金が科される可能性があるため注意が必要です。EWTの月次申告期限は翌月10日後であり、申告にはBIR form 0619Eを使用します。四半期申告では源泉 徴収税が課された課税対象四半期の終了後の翌月末までに、BIR Form 1601EQを用いて提出します。

 

4.フィリピンビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください

 今回は「フィリピンの拡大源泉徴収税(EWT)」について解説しました。私たち「東京コンサルティングファーム」は、会計事務所を母体とした20ヵ国超に展開するグローバルコンサルティングファームです。海外現地では日本人駐在員とローカルスタッフが常駐しており、また各拠点に会計士・税理士・弁護士など専門家チームが所属しているため、お客様の多様なニーズに寄り添った対応が可能です。

本稿で解説した、フィリピン税務に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事は、フィリピンに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません

Creater : Tomizawa Nanako