外商投資企業の「境内再投資」奨励策が本格始動:中国国内での事業拡大と資金活用の新フェーズ
  
Topic : Other
Country : China

2026年に入り、中国政府は外資系企業による中国国内への再投資を強力に後押しする姿勢を鮮明にしています。その中核となるのが、「外商投資企業の境内での再投資を奨励することにかかる若干の措置を実施することに関する通知(発改外資928号)」です。

1. 奨励策の背景と多角的な支援体制
この通知は、国家発展改革委員会、財政部、商務部、税務総局、中国人民銀行、国家外貨管理局など、中国の経済・財務を司る主要7部門が連名で発表した極めて重要度の高いものです。 これまで外資系企業が中国国内で得た利益(未分配利益を含む)を再投資に回す際のハードルとなっていた税務や外貨管理の手続きを簡素化・優遇することで、「外資の安定」と「高品質な経済発展」を同時に進める狙いがあります。

2. 2026年1月後半からの実務的な注目点
1月後半から2月にかけて、企業が2025年度の決算確定と2026年度の投資計画を策定する時期にあたり、以下の施策との相乗効果が期待されています。
• 外貨資金決済の円滑化:2025年12月19日に公表された「外貨資金の決済のさらなる円滑化及び外国貿易の安定した発展の支援に関する通知」により、投資に伴う資金移動の利便性が向上しています。
• 税務コンプライアンスの重要性:一方で、「滞納税公告弁法」の整備や「会計業務責任の明確化」が進んでおり、これらの優遇措置を享受するためには、健全な納税実績と透明性の高い財務管理が不可欠な前提条件となっています。

3. 企業が取るべき戦略的対応
日系企業の中国拠点においては、以下の対応を検討することが推奨されます。
・再投資による税制メリットの精査:利益を国外に配当するのではなく、国内での増資や新プロジェクトに充てることで、源泉所得税の繰り延べなどの恩恵を受けられるか、最新の「928号通知」に基づき財務シミュレーションを行ってください。

まとめ
外商投資企業の「境内再投資」奨励策(発改外資928号)外貨資金決済の円滑化措置、さらには増値税の還付(留抵退税)や海南自由貿易港の優遇措置といった「アメ」としての政策的恩恵を享受するためには、「滞納税公告弁法」の整備や「会計業務責任の明確化」に裏打ちされた、厳格な会計・納税コンプライアンス(守り)を固めることが、2026年の中国ビジネスを勝ち抜くための前提条件となっています。

Creater : Kobayashi Yusuke