一部鉄鋼製品への輸出許可証管理が始動 ― 貿易実務への影響と対応ポイント ―
  
Topic : Other
Country : China

中国政府は2026年1月1日より、一部の鉄鋼製品を対象とした輸出許可証管理を正式に開始しました。この措置は2025年12月15日に公表されたもので、中国の輸出貿易制度における資源管理と秩序維持を目的としたものです。施行から半月が経過した1月後半現在、対象製品を扱う企業には、厳格な通関対応とライセンス管理が求められています。

1. 制度の概要と背景
今回の規制により、対象となる特定の鉄鋼製品を中国から国外へ輸出する際、企業は事前に商務部門等の主管当局から「輸出許可証」を取得しなければなりません。
• 管理の目的:中国の輸出貿易制度(2025年8月時点の指針等)に基づき、国内の鉄鋼資源の需給バランスの調整や、環境負荷の高い製品の輸出抑制、さらには国際的な貿易摩擦への対応といった側面があると考えられます。
• 施行時期:2025年12月中旬の発表からわずか半月後の2026年1月1日に施行されており、極めて迅速な実務対応が必要とされました。

2. ビジネス実務への影響
1月後半の現在、輸出実務においては以下のような影響が顕在化しています。
• 通関リードタイムの変化:許可証の申請から発行までのプロセスが加わるため、従来の輸出スケジュールに遅延が生じるリスクがあります。
• コストの増大:許可証取得のための事務手続きや、出荷の停滞に伴う保管料などのコスト増が懸念されます。
• サプライチェーンの再検討:許可証の取得が困難な品目や、取得に時間がかかる品目については、仕入れ先や輸出ルートの再検討を迫られる可能性があります。

3. 企業が取るべき対応策
日系企業の中国拠点および貿易担当者は、以下のステップで対応を徹底することが推奨されます。
• 対象品目の正確な特定:2025年12月15日付の公告に基づき、自社が扱う鉄鋼製品のHSコードが管理対象に含まれているか、速やかに精査してください。
• 納税・コンプライアンスの健全性維持:中国では現在、「滞納税公告弁法」の公表(2025年12月19日)に見られるように、企業の信用管理が非常に厳格化しています。輸出許可証の申請においても、適切な納税実績や会計処理(国家統一会計制度の遵守)が行われていることが、スムーズな審査の前提条件となります。
• 情報の継続的なアップデート:キャストグローバルの新しいサイトドメイン( https://castglobal-china.biz/ )では、こうした最新の法令速報や実務Q&Aが随時更新されています。また、新機能の「動画研修コンテンツ」を活用し、法務・税務・会計の最新ポイントを社内で共有することも有効です。

まとめ
2026年1月からの鉄鋼製品輸出許可証管理は、中国が推進する「高品質な発展」と「経済秩序の強化」の一環です。企業側は、単なる事務手続きの変更と捉えるのではなく、「企業の社会的信用(コンプライアンス)」が貿易の成否を分ける時代になったと認識する必要があります。不注意な納税の遅れや不正確な会計処理が、輸出入ライセンスの取得にも悪影響を及ぼしかねない現状を踏まえ、統合的なガバナンス体制を整えることが肝要です。

Creater : Kobayashi Yusuke