PMA資本金要件の大幅緩和と報告義務の強化
  
Topic : Establishment
Country : Indonesia

今回は、外資系企業(PMA)の資本金要件と報告義務に関する規制の改正についてご説明します。

 

2025年10月1日より、インドネシア投資・下流産業省(旧名:投資調整庁)規則(Permen Investasi & Hilirisasi No.5/2025)が施行され、外資系企業(PMA)に関する規制が一部改正されました。

今回の改正では、最低払込資本金の大幅な引き下げおよび投資活動報告書(LKPM)提出義務の強化が主な変更点となっています。

 

■ 最低払込資本金の変更

これまで外資企業(PMA)設立時には、1社あたり100億ルピア(約9,000万円)の最低払込資本金が求められていました。
今回の改正により、最低払込資本金が25億ルピア(約2,500万円)へと大幅に引き下げられます。(第26条第9~10項)

※金融業、鉱業、エネルギーなど他の規定により別の金額が定められている業種を除きます。

ただし、払込資本金は、資産購入などの認められた用途を除き、12カ月間銀行口座に留めておく義務がある旨が新たに規定されています(第27条第1項)。

なお、PMA設立時の最低投資額には変更はなく1事業分野、1拠点あたり100億ルピアのままとなっております。

実務上の変更の詳細につきましては、追って改めてお伝えします。

 

■ LKPM(投資活動報告書)の提出義務と制裁強化

すべてのPMA企業において、OSS(Online Single Submission)システムを通じて四半期報告および年次報告を提出する義務があります。

改正法では、LKPM(投資活動報告書)の未提出および虚偽報告に対する制裁内容が以下のように明確化されました(第374~376条)。

 第1回警告:文書による是正要求

 第2回警告:OSSアカウントの一時停止

 第3回警告:許認可の取消および事業停止命令

 追加措置:行政罰金

 

今回の改正により、資本金要件の緩和によって中小規模の外国投資企業の参入が一層容易になる一方、資金留保義務やLKPM報告の厳格化により、設立後のコンプライアンス対応の重要性が高まっています。

今後インドネシアへの進出や既存拠点の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

Creater : Aya Sodeyama