カンボジア、2025年の対タイ貿易が大きく減少 ― 輸入関税引下げで影響緩和へ
  
Topic : Economic
Country : Cambodia

カンボジア政府が2026年1月に発表した最新統計によると、2025年のタイとの貿易額は前年比で約14.9%減少し、3億6,572万ドルとなりました。輸出・輸入ともに大きく減少しており、特に輸入面では鉱物性燃料・石油類が前年からほぼ半減するなど、両国間の貿易が縮小しています。

この背景には、2025年を通じてカンボジアとタイの国境が一時閉鎖されたことによる物流制約や両国関係の悪化が影響しているとみられ、企業側ではサプライチェーンの見直しや輸送ルートの変更が進んでいます。たとえば無糖牛乳のような農産品の輸入については、タイからの調達が減少し、ベトナムやマレーシアなど他国からの輸入が増加する動きが見られました。

カンボジア政府はこうした貿易悪化への対応として、2026年1月から特定品目の輸入関税および特別税率を大幅に引き下げる政令を施行しました。対象となる品目の関税率は最大で0%に引き下げられ、生活必需品の価格安定や輸入先の多角化を図る狙いがあります。

この関税引下げ措置は、輸入物価の上昇を抑えるとともに、企業活動のコスト負担軽減にもつながる可能性があります。政策により関税が免除される品目は生活必需品中心で、消費者物価の安定化にも貢献するとみられており、各業界からの期待も高まっているとの事。

【今後の投資環境について】

一方で、カンボジアでは投資面でも前向きな動きが続いています。2026年1月時点では、複数の固定資産投資プロジェクトが承認され、総額7億5,200万ドル超の投資が誘致されています。これらのプロジェクトは雇用創出や産業多角化に寄与するものと期待されています。

また、カンボジアは長年にわたりQIP(適格投資プロジェクト)制度などを通じて税制面・関税面の優遇措置を維持・拡充しており、高付加価値分野への投資促進を図っています。政府は縫製・物流・デジタル産業など多様な分野での長期的な投資促進を目指しており、法制度の整備も進行中です。

【日系企業への影響】

カンボジアに進出する日系企業にとって、タイからの輸入減少や関税引下げはサプライチェーン再構築の必要性を示すと同時に、政策対応次第でコスト圧力の緩和や新たな市場機会の創出にもつながる可能性があります。たとえば、生活必需品や製造装置部材など関税引下げ対象品目については、コスト競争力が向上することが期待されているとしています。

Creater : 松木 祐里香