タイ政府と中央銀行(Bank of Thailand:BOT)は2026年1月19日付で、外国所得に関する国内還元(送金)義務の基準額を大幅に緩和する改正を官報で公表しました。
これは急速なバーツ高(タイ通貨の強さ)への対応策として実施されたものです。
【背景】
近年、タイのバーツは対ドルで堅調に上昇し、輸出企業の競争力や観光業の価格競争力に影響を与えるとの懸念が高まっています。そのため、為替の急激な上昇圧力を緩和し、経済の安定性を保つ必要性が指摘されてきました。
【主な変更点】
これまで1件当たり**100万米ドル以上の取引については、外貨をバーツへ送金する義務がありましたが、今回の改正によりこの基準額を“1,000万米ドル”へ大幅に引き上げました。これにより、企業や個人は多くの取引について外貨のまま保有・利用できるようになります。
【狙いと効果】
今回の緩和措置は、以下の効果を目指しています:
-
輸出企業の外貨送金義務の緩和
→ 海外収入を即時バーツに換金する必要が減少し、バーツ買い圧力を抑制できます。
-
為替安定性の維持
→ 企業は収益や支出を外国通貨で管理しやすくなり、変動リスクも軽減されます。
-
国際送金コストの削減
→ 中央銀行の規制緩和により、送金手続きや為替手数料負担の軽減が期待されます。
【市場への影響】
BOTは今回の緩和を、バーツ急騰の抑制策の一部と位置づけています。バーツ高は輸出や観光の競争力を低下させるリスクがあるため、外貨収益をタイ国内で管理する柔軟性を高めることが注目されています。