今回はそんな在宅で仕事をしている方たちに関わるメキシコのテレワーク法について解説していきます。今後テレワークが増えていく中で、知っておく必要がある重要な改正です。
【経緯】
メキシコでは2020年3月から新型コロナウイルスの影響により、テレワークを取り入れた企業が多かったのではないでしょうか。しかし、テレワークにしたことより、労働者の「残業の問題」「生産性の問題」「精神的な問題」が生じております。
そのため、メキシコ政府は1月11日付の連邦官報において、テレワークに関する規定を盛り込む連邦労働法の改正を公布しました。(適用は2月12日より)
【改正の概要】
<テレワークの章を新設>
連邦労働法にテレワークの章を新設され、テレワークを「使用従属関係にある労働者が報酬を伴う活動を雇用主の事業所以外の場所で実施し、物理的な出勤を必要とせず、労働者と雇用主との間の連絡や指揮命令を主に情報通信技術(ICT)を用いて行う労働形態」と定義し、テレワークの要件、雇用主や労働者の義務などを定めております。
<適用される労働者>
連邦労働法のテレワークの規定が適用される労働者は、就労時間の40%超をテレワーク形態で実施する労働者とされます。(臨時、あるいは散発的にテレワークをする労働者は対象外)
<必要な機材や経費を雇用主が負担>
雇用主がテレワークに必要な機材を労働者に支給し、テレワークのために必要となる通信費や追加の電気代も負担することだ。また、支給した機材の記録を作成し、管理する必要があります。また、規定では労働者の義務を定めており、支給された機材の保全や仕事で使用したデータの保護などが求められています。
<労働者の尊重>
以下のような対応を求められております。
・労働者をオフィスワークからテレワークに移行させる場合、不可抗力の事態を除き、労働者の意思を尊重しなければならない
・事業所での労働への復帰の権利が保障
・雇用主は、同種の仕事に従事する事業所での労働者とテレワーク労働者を待遇面で差別してはいけない
・テレワーク労働者の活動を監督するメカニズムは、プライバシーの権利や個人情報保護を保障した上で導入されなければならない
・カメラやマイクは、非常時、あるいは仕事の性質から必要な場合のみ、仕事の監督のために利用することができる
<労働社会保障省による保護>
労働社会保障省は、人間工学的要素、メンタルヘルス、その他のテレワークに伴うリスクを考慮した上で、本改正の施行後18カ月以内にテレワークに関する安全衛生基準をメキシコ公式規格(NOM)として作成するとされています。また、労働査察官は、テレワークに関する査察の際、以下のようなことを確認・監視するとされています。
・雇用主が労働者に対してテレワークに要する機器や資材を適切に支給し、記録しているかどうか
・テレワーク労働者の給与が同種の労働に従事する事業所における労働者に対する給与よりも低く設定されていないか
【まとめ】
テレワークの規定が新設されたことにより、メキシコではさらに労働者保護の意識が高まったように感じます。雇用主側の負担もますます高まっておりますが、雇用主としては、今回のような改正に基づいて、改めて社内でも雇用契約書や就業規則を見直していく必要があります。
メキシコでは、このような労働者を保護するような改正が多いですね。問題が起こってからでは遅いので、なるべく早めに対応していくことが大切ですので、今回をきっかけに見直してみてはいかがでしょうか。
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