こんにちは、ベトナム、ハノイ支部の小瀬です。
2025年10月27日、ベトナム財務省より新たな企業会計制度を定める「通達99/2025/TT-BTC」が発行されました。 本通達は2026年1月1日より施行され、従来の通達200号に代わる新たな指針となります。
多くの変更点の中でも、日々の実務に直結する「外貨建取引における為替レートの適用ルール」について重要な変更がございますので、本ニュースレターにて解説いたします。
1. 変更の概要: 「売・買」の使い分けから「平均レート」への統一へ
これまで会計記録や税務計算において複雑だったレートの選択基準が、新通達により大幅に簡素化・統一化されます。
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項目
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【現行(〜2025年末)】通達200号
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【改正後(2026年1月〜)】通達99号
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適用レート
の原則
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取引内容に応じて使い分け
・入金時(売上等):買入レート (TTB)
・出金時(費用等):売出レート (TTS)
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電信売買仲値(平均レート)に統一
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<ポイント>
2026年以降、売上計上、費用計上、資産購入、税務計算のいずれにおいても、原則として「企業が取引する商業銀行の電信売買仲値(平均レート)」(またはその近似値)を使用することになります。
2. 業務ごとの具体的な変更点
① 会計帳簿への記帳(Bookkeeping)
外貨建ての取引(売上、経費、資産購入など)が発生した際、契約書に特定のレート指定がない限り、取引日の「平均レート」を使用して記帳します。
※入金・出金どちらの取引であっても、原則として平均レートを用います。
※補足:決済時の「帳簿価額レート」について
過去に計上した売掛金の回収や買掛金の支払(決済時)については、これまで通り「移動平均法」や「個別法」に基づく帳簿上のレートを使用し、差額を為替差損益として処理します。
② 請求書(インボイス)の発行
外貨建てで請求書を発行する場合、ベトナムドン換算額を記載する必要があります。
この換算レートについても、売上計上と同じ「平均レート」を使用します。これにより、会計上の売上額とインボイス上の金額の不一致が解消されやすくなります。
③ 税務申告(外国契約者税など)
外国契約者税(FCT)などを計算する際の課税標準額の換算にも、「平均レート」が適用されます。
3. 適用開始時期
- 施行日: 2026年1月1日
- 適用対象: 2026年1月1日以降に開始する会計年度より
4. 企業様に求められる対応
本改正に伴い、以下の点について社内確認および準備を推奨いたします。
- 会計システムの設定確認
現在使用している会計ソフトが、「買入/売出レート」を自動取得している場合、2026年以降は「平均レート」を取得・適用するように設定変更が必要になります。
- 社内マニュアルの更新
経理担当者が手動でレートを入力している場合、参照すべきレートが変更になる旨を周知徹底する必要があります。
本件に関しまして、ご不明な点やより詳細な解説が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。