引き続き、ベトナム会計の特徴についてまとめていきます。
今回は下記3点のベトナム特有の会計ルールに関してまとめていきます。
1,ベトナムの損益計算書
2,勘定コード表
3,勘定科目911
1,ベトナムの損益計算書
ベトナムの会計基準では財務諸表の表示項目についてまで規定されています。
特徴となるのが、財務活動による損益が販売費および一般管理費よりも上位に位置するという点です。
通常日本などで営業利益というと通常の事業活動得た利益を指しますが、ベトナムの営業利益は営業外損益が含まれることになります。
つまり、ベトナムの営業利益は日本で言うところの経常利益となっています。
そのため、ベトナムの損益計算書をそのまま使用すると利益を正しく把握することができません。
正しく営業利益を把握するために、損益計算書をカスタマイズすることお勧めします。
2,勘定コード表
勘定コード表について、『ベトナム会計の特徴①』でもお話ししましたが、より詳しく解説していきます。
ベトナムにおいては会計法により企業の記帳の際に使用される勘定科目はすべて指定されています。
また、それぞれの勘定科目には全て3桁か4桁の番号が振られています。
100番台から400番台はBSの科目、500番台から800番台がPLの科目となります。
このようにそれぞれの勘定科目に勘定コードが定まっていますが、
これが日本人からするとベトナム会計が分かりづらいと感じる要因の一つとなっています。
なぜかというと、元々定まっている勘定科目の抽象度が高く、
それだけだと財務諸表から内容の分析が難しくなっているからです。
特に費用科目の一般管理費、販売費、製造管理費などは抽象度がかなり高くなっています。
例えば、抽象度が高い物の例として「6277」という勘定コードがあります。
これは製造間接費の中の「外部委託費」という勘定科目です。
日本だと水道光熱費や接待交際費、通信費などは別々の勘定科目として分かれていますが、
ベトナムではこれらが全て「6277」にまとめられています。
つまりベトナムで最初から定められている勘定科目のみを使用していると、
財務諸表から何に対してお金が使われているのか読み解くことがかなり難しくなっています。
そのため、各企業は「補助コード」を使用して財務諸表をカスタマイズする必要があります。
ベトナム会計法で定まっている勘定コードに1桁プラスして自社独自の補助コードを作成することができます。
例えば6277でまとまってしまっている外部委託費に関して、水道光熱費は62771、通信費は62772といった具合です。
注意点として、補助コードはあくまで既存の勘定コードの後ろに数字を追加することで作成することは可能ですが、
「6279」のような全く新しい勘定コードを作ることは不可能になります。
3,勘定科目911
勘定科目「911」とは、日本含め他の国には基本的には存在しない、ベトナム特有の勘定科目となっています。
この科目があることで、試算表と損益計算書の数値が異なるということが起きます。
911とは何かというと会社の事業活動の結果、いくらの損益が出たのかを計算するための勘定科目となります。
具体的に見ていくと、例えば売り上げ1,000費用が600あったとします。
そうするとこれをまずはどちらも911に集計する処理をします。
そのため、売上勘定及び費用勘定は0になります。
そして、試算表を作成するときには911の差額である400も421という貸借対照表の利益余剰金へ振替を行います。
そのため911も0になります。
そのため試算表と損益計算書が一致しないということが起きてしまいます。
非常に特殊な勘定科目となるので、覚えておくと良いかと思います。
本日は以上になります。
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