ベトナム・ハノイ支部の小瀬です。
2025年5月17日、ベトナム国会は、民間セクターの発展を強力に推進するための「決議 第198/2025/QH15号」を正式に採択しました 。
この決議には、企業のコンプライアンス・コスト削減を目的とした多くの重要な支援策が含まれていますが、注目すべきポイントとして、ライセンス料(通称:営業許可税、事業登録税)の廃止です。
ライセンス料廃止の規定
本決議の第10条7項において、「ライセンス料の徴収および納付を停止する」と明確に規定されました 。
同決議の第10条6項では、家計経営等の固定税の納付停止が「2026年1月1日」からと定められており 、このライセンス料の廃止も、2026年1月1日から施行されるものと解釈されます。
保証される法的根拠
このライセンス料廃止が、既存の税法や手数料法に優先して確実に実行される法的根拠は、この「決議第198号」が持つ特別な法的地位にあります。
- 発行主体が最高立法機関であること
この決議は、行政機関(政府や財務省)ではなく、ベトナムの憲法に基づき法律を制定する最高機関である「国会(The National Assembly)」によって発行されています 。
- 他の法律に優先する「特別法」としての効力
本決議は、民間セクター発展のための「特別な仕組み(special mechanisms)」を定めるものであり、その実効性を担保するため、既存の法律に対する優位性が明記されています。
法的根拠:第17条2項 「この決議と他の法律または国会の決議との間に同じ問題について異なる規定がある場合、この決議の規定が優先されるものとする。」
これは、仮に現行の手数料法などにライセンス料の徴収規定が残っていたとしても、この決議第198号の「徴収停止」の規定がそれに優先して適用されることを法的に保証するものです。
- 政府に対する強力な実施義務
国会は、政府に対し、この決議内容を遅滞なく実行することを第16条で具体的に命じています 。政府は、この決議に基づき、関連する下位法令(政令や通達)を整備し、2026年からの徴収停止を組織的に実施する義務を負います 。
結論
ライセンス料の廃止は、ベトナム国会という最高機関が発行した、他の法律に優先する効力を持つ「特別決議」によって法的に保証されています。これは、ベトナムのビジネス環境を抜本的に改善しようとする国家の強い意志の表れと言えます 。
弊社では、本決議の実施に関する政府の具体的な指導(政令・通達)を引き続き注視し、新たな情報が入り次第、速やかにお知らせいたします。
何か質問等ございましたら、ご質問いただけますと幸いです。