【中国】第4次改正中国専利法(2021年6月1日施行)に関する解説
  
Topic : Legal
Country : China

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今回は
【第4次改正中国専利法(2021年6月1日施行)に関する解説】というテーマで、お話していこうと思います。


【中国】第4次改正中国専利法(2021年6月1日施行)に関する解説

 

本日は、来月6月1日より施行される「第4次改正中国専利法」について記載していきます。

“専利”とは、中国における特許に当たります。

当該改正作業は、2011年に開始されてから高い注目を浴びてきました。

そして昨年、2020年10月17日、中国全国人民代表大会常務委員会(全人代)において採決され、成立致しました。

当該改正の概要は以下の通りになります。

【意匠に関する改正】

  1. 部分意匠制度の導入。
  2. 中国で意匠出願した日より6ヶ月以内であれば、当該意匠出願の国内優先権を主張することが可能に。
  3. 意匠権の存続期間が出願日から15年に延長(従来:10年)。

【賠償に関する改正】

  1. 違法所得による罰金は、違法所得の5倍に引き上げ(従来:4倍)。

違法所得がない場合の罰金も、25万元以下に引き上げ(従来:20万元以下)。

  1. 故意の専利権侵害について、事情が重大な場合には、権利者が権利侵害によって被った実際の損失の金額、もしくは、権利侵害者が権利侵害によって取得した利益の金額の1倍以上5倍以下で賠償額を定めることが可能に。
  2. 法定賠償額を、3万元以上500万元以下に引き上げ(従来:1万元以上100万元以下)。

【訴訟に関する改正】

  1. 人民法院は、権利侵害行為に関連する帳簿や資料を提供することを権利侵害者に命じることができると共に、権利侵害者が帳簿等を提供に応じない、あるいは、虚偽の帳簿等を提供した場合に、権利者の主張等を参考に賠償額を決定することが可能に。
  2.  訴訟を提起する前に、財産保全や一定の行為の実施、あるいは禁止を命じる措置を講じるように、人民法院へ申請することが可能に。
  3.  専利権侵害訴訟の時効は3年に延長(従来:2年)。

【発明専利権存続期間の延長】

  1.  出願から4年、審査請求から3年経過後に専利権が付与された場合のような、

不合理な遅延に対して、存続期間の補填を請求することが可能に。

  1. 新薬の承認に応じた存続期間の補填を請求することが可能に。

しかしながら、補填期間は最長5年、承認後存続期間は14年を超えないことが条件。

当該法改正によって中国が更なる技術派遣を獲得することは間違いないでしょう。

繰り返しにはなりますが、当該法改正の内容は来月6月1日より施行されます。

今後の中国の動向に、業界を問わず世界中から注目が集まります。

 


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Creater : HIROKI HAGIUDA