2025年4月2日、トランプ米大統領は「リベレーション・デー」と称し、すべての国からの輸入品に対して一律10%の関税を課すと発表しました。さらに、インドを含む約60カ国には、最大26%の追加関税が適用されることとなりました。これにより、インドの主要輸出品である電子機器、宝飾品、自動車部品などが大きな影響を受ける可能性が高まりました。
しかし、4月9日には米国がこれらの追加関税を90日間(7月9日まで)一時停止することを決定し、インドにとって交渉の猶予期間が設けられました。
この猶予期間を活用し、インドは米国との二国間貿易協定(BTA)の締結に向けて積極的な交渉を進めています。具体的には、インドは米国からの輸入品に対する平均関税率を現在の約13%から4%未満に引き下げる提案を行い、米国製品の約90%に対して優遇措置を提供する意向を示しています。
さらに、インドは特定の米国製品(鉄鋼、自動車部品、医薬品など)に対して、一定の輸入枠内でゼロ関税を適用する提案も行っています。この提案は、米国がインド製品に対する追加関税を撤回することを条件としています。
一方で、インドは米国の関税措置に対抗するため、特定の米国製品に対する報復関税の導入も検討しています。世界貿易機関(WTO)への通知によれば、インドは米国からの輸入品に対して関税を引き上げる可能性があるとしています。
現在、インドと米国は7月9日の関税猶予期間終了までにBTAを締結することを目指しており、交渉は最終段階に入っています。この協定が成立すれば、インドは米国からの輸入品に対する関税を大幅に引き下げる一方で、米国はインド製品に対する追加関税を撤回することが期待されます。また、両国は2030年までに二国間貿易額を5,000億ドルに拡大する目標も掲げています。
結論として、インドはトランプ政権の保護主義的な貿易政策に対して、戦略的かつ柔軟な対応を示しています。関税引き下げやゼロ関税提案、報復関税の検討など、多角的なアプローチを通じて、自国の経済的利益を守りつつ、米国との貿易関係を強化しようとしています。今後の交渉の行方が注目されます。
本日は以上になります。
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